ろま中男3 作品リスト綺羅 目次綺羅 (70)おあずけ
「…お待たせしました、ご主人様、お嬢様」
ピンクメイドのあめやちゃんがにこやかにオムライスとアイスティーを持ってきた。
「わ～い、いただきますっ…」
やったあっ、きたあっ…、オムライスちゃん、あいたかったよおっ…、う～ん、おいしそっ…。
「ハウスッ」
あめやちゃんがテーブルに置くと同時に、おいしそうなオムライスにうれしそうにスプーンを取り上げた紗羅を松岡がにらみつけた。
「きゃいんっ…、どうしてえっ」
いいじゃん、紗羅、お腹、減ってるのよ…、やっぱり、コイツ、イジワルな変態だ…。チョット見直して、損した…。
紗羅が不満そうにジットリした視線を松岡に向けていると
「…お嬢様、少々お待ちください…、いま、愛情を込めて、おいしくしますから…、おいしくなあれ、おいしくなあれ…」
あめやちゃんがおいしくなる呪文を唱えながら、オムライスにケチャップでハートマークを書いていた。松岡はヤニさがってうれしそうにあやめちゃんを眺めていた。
「ぶうっ…」
ケチャップくらい、自分で、出来るよ…、変なの…。
お預けを食らった紗羅は不満そうだったが、
「…ボクは、あ～んでお願いします」
ケチャップの落書きをうれしそうに見ていた松岡は、一口あ～んのリクエストをした。
「かしこまりました…、ご主人様、どうぞ、あ～ん」
ニッコリ笑ったあめやちゃんは、スプーンでオムライスをすくうと松岡に差しだした。松岡は上機嫌であ～んとつぶやくと、スプーンをくわえてうれしそうに笑った。
「…」
…、あ～ん、だって…、気持ちわるっ…、やっぱり変態だっ、マザコンかも…。でも紗羅も、ファザコンだし…、って、おとうさん、キライになったんだった…、ふんっ…。でも、お腹、空いた…、早く、たべたいよおっ…。
「…、じゃんけん大会、しようよ」
不機嫌な紗羅を放置した松岡は、あめやちゃんにゲームをリクエストした。
「かしこまりました…、じゃあ、いいですか？…、いきますよ…、右手に勇気、左手に希望、二つ合わせてあわせてのぞいてみると、すてきな未来が見えてくる。夢と希望をこぶしにのせて、最初は八丁目、じゃんけん、ポンッ」
踊るようにカワイイ身振り手振りをするあめやちゃんに、松岡はうれしそうにフリをあわせていた。
「…おめでとうございます、ご主人様の勝ちですっ」
ジャンケンはパーで松岡の勝ちだった。
「…」
パー、って、アンタに、お似合いじゃんっ…。
あめやちゃんとじゃれあう松岡を、紗羅は不機嫌そうに見ていた。あめやちゃんが執事の格好をしたスタッフを呼ぶと、松岡はあめやちゃんと並んでうれしそうに写真を撮ってもらっていた。
「勉強になった？…」
あめやちゃんと並んだチェキをうれしそうに眺めていた松岡が、やっと紗羅に話を振ると
「…もう、食べていいですか？…」
もう、紗羅、お腹減って、死んじゃうよおっ…。
目の前のオムライスをヨリ目で見つめた空腹で不機嫌な紗羅は顔を上げると、恨めしそうな表情でつぶやいた。
「え、待っててくれたの？…、いいよ、食べて」
お預けを食らわせたことなどすっかり忘れていた松岡が、なんだかうれしそうにニコニコしていた。
「…、いただきまあ～す」
やっと、食べれるよおっ…、うっ、うまあ～いっ、おいしいよおっ(笑)…、あのおねえさんの、愛情がこもってるからかな…、なわけないっ(笑)…、お腹、減ってるんだもん、なんでも、おいしいよねっ(笑)…。
紗羅はニコニコしながらオムライスにパクついて、ほっぺにご飯つぶのお弁当を付けていた。
「…ガムシロ、入れるよね？…」
オムライスに夢中のカワイイ紗羅に、笑いながら松岡が聞くと
「うん…、ありがと…」
紗羅はオムライスから目を話さずに応えた。ニンマリした松岡はガムシロを入れながら、昨日も使った催淫剤をアイスティーに仕込んでいた。
綺羅 (71) につづく
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2009/08/09
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