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== 紗羅 ==

綺羅 (68)松岡のこだわり

ろま中男3 作品リスト
綺羅 目次

綺羅 (68)松岡のこだわり

「…あれ、カチューシャは?」
いやがる紗羅を無視して三つ編みをうれしそうに眺めていた変態ヲタクの松岡は、急に納得いかないと言わんばかりに迫ってきた。

「あれ、恥ずかしいから、やめたの」
あんなの、いかにも、って感じだもん、恥ずかしいよ…。
紗羅が当たり前のように応えると
「だめだっ、メイドにカチューシャはお約束なんだ、早くしてっ」
なんだかわからないが松岡は血相を変えて勢い込んできた。

「こわいよっ…、わかったから、あんまり顔、近づけないで…」
ひえっ、こわいよっ…、なに、昂奮しているの?…、おかしいよ、この変態ヲタク…。
松岡の迫力にあとずさった紗羅が、カバンからフリル付きの純白カチューシャを出して頭に付けた。
「…う~ん、やっぱり、こうでないと…」
松岡は紗羅の頭に乗ったカチューシャを満足そうに眺めていた。

「あと…、こっちは?」
「ひえっ…、やだっ、エッチ、なにするの」
松岡はイキナリ純白レースのアンダースカートをまくり上げて紗羅のお尻のぞき込んだ。Tバックのお尻をのぞき込まれた紗羅は、慌ててお尻を押さえて頬を染めて変態ヲタクをにらんだ。
「まあ…、これも、ありかな…」
紗羅のナマ尻を見てニヤけ面に表情をゆるめた松岡は、意味なくえらそうにしていた。

「あと、言葉遣いちゃんとして」
ほっぺをふくらませて口をとがらせる紗羅の顔を、松岡が表情を固くしてのぞき込んだ。
「はへ…」
急にまじめな顔になったヲタクに、紗羅が若干引き気味に呆れていると
「ご主人様、エッチなお戯れはご遠慮ください、って言ってくれなきゃ」
松岡は真剣な顔で紗羅に迫った。

「なにそれ…、いやだよ」
なんで、アンタみたいな、変態ヲタクが、ご主人様なの?…。てことは、紗羅、使用人?…、奴隷?…、やだよっ、こんな変態の奴隷にされたら、何されるか、わかんないじゃんっ…。
押しつけがましく迫ってくる松岡に、紗羅が不満そうにしていると
「…そうか、忘れてた…、バイト料はらうよ…、1万でいいだろ…」
財布からピン札の諭吉を出した松岡は、紗羅の手をつかむと握らせた。

「はあ…」
このヲタク、学生のくせに、なんで、お金持ってるんだろ?…。
昨日もパンツを1万で買った気前のいいヲタクに、紗羅が本気で呆れていると
「…はあ、じゃないだろ、はい、メイドは言葉遣いを、ちゃんとしないとダメだ」
松岡が勢い込んで迫ってきた。

「…、はい、わかりました、ご主人様…」
まあ、いいや…、もう、もらっちゃったし…、アンタの趣味に、つきあってあげるよ…。
諭吉をカバンに入れた紗羅が松岡に調子を合わせると
「…、ご主人様と話すときは、常に笑顔で、わかったか?」
松岡はご主人様気取りで、紗羅に命令していた。

「…はあっ、うれしくもないのに、笑えないよ」
この変態ヲタクをバカにしている紗羅が、ほっぺをふくらませると
「…、そんな顔もかわいいけど…、わかったよ、じゃあ、もう1枚あげるから」
ブー垂れる紗羅に顔をゆるませた松岡は、またまじめな顔になってピン札の諭吉を出すと、紗羅の手に握らせた。

「はあっ…、おにいさん、お金持ちなの?」
また諭吉をくれる変態ヲタクに、つい紗羅が本音を漏らすと
「…金持ちじゃないけど、キミと逢えると思って、銀行に寄ってきたんだよ…、そんなことより、お腹減っただろ?…、行こう」
なあに…、この変態、わざわざ銀行で、お金おろしても、私に会いたかったの?…、っていうか、お金で、またエッチなコト、しようとしてる?…。

いぶかしげな表情の紗羅を無視して、松岡は紗羅の手を引っ張ってさっさと歩き出した。メイド美少女に、すれ違うヲタクたちは一人残らず栗花くさい視線を絡ませてきた。注目を浴びる紗羅を連れて歩く松岡はなんだかうれしそうだった。

「…、あ、ご主人様、お嬢様、お帰りなさいませ」
紗羅は八丁目劇場と看板が出ている店に連れ込まれた。テーブルにつくとピンクのメイド服を着た美少女が来た。紗羅のメイド姿に一瞬躊躇したようだが、プロ根性でニッコリ笑うと二人に丁寧にお辞儀した。

綺羅 (69) につづく

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