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== 秀香蘭高校放送部 ==

秀香蘭高校放送部(1)ミナヲとマコ

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秀香蘭高校放送部 目次

秀香蘭高校放送部(1)ミナヲとマコ

徳川ミナヲが灰色の高校生活を2ヶ月送った6月に、最初の席替えがあった。

ミナヲは中学3年の進路指導で絶対無理だと担任から宣告された第一志望の高校にみごと合格した。入学当時は新生活の期待に胸を膨らませていたが、すぐに分不相応に高い授業レベルについていけなくなり、平均的偏差値の凡庸な頭脳を思い知らされた。

ミナヲが奇跡の入試突破を果たした秀香蘭高校は5年前まで女子校だった。偏差値が高い上に、水泳部をはじめとする全国大会常連の数々の運動部が有名で文武両道の名門高校だ。女子校だった名残でいまでも全校生徒は女子が9割以上を占める。教員も全員が女性でしかも美人揃いだった。

蘭の花弁から垂れる滴をかたどった校章から連想する淫靡な女の園への憧れで、夏休みから入試勉強を死に物狂いで頑張ったミナヲは、秀香蘭に入ったからにはウハウハな酒池肉林生活が待っていると思い込んでいたが、実際に入学したら世の中そんなに甘くないことを思い知らされただけだった。


GW前には完全に落ちこぼれて授業についていけなくなった劣等生は、自分を除いて女子しかいないクラスで友達もできずに孤立した生活を送っていた。

A組からI組までは男子が二人いるが、10番目のJ組はミナヲしか男子がいなかった。秀香蘭の高偏差値にふさわしいA組からI組の優等生男子と釣り合いが取れない劣等生は、友人を作ることができなかった。孤独で自己否定に苛まされる暗い生活に打ちひしがれ、自殺の二文字さえ目の前にチラついてきた6月に、席替えがあった。

席替えで一番目立たない廊下側最後列になったささやかな幸せを喜んだ落ちこぼれは、隣になった立花マコを丸顔メガネのチビとしか思わなかった。世間で秀香蘭女子は容姿端麗頭脳優秀と思われているが、マコはその範疇から外れた規格外品だと思った。

無口で真っ黒なおかっぱヘアの冴えないメガネっ娘を、ミナヲはスクールカースト最下層の自分と同類だと勘違いした。しかし友達がいなくて情報に疎いミナヲが知らなかっただけで、マコは秀香蘭でもトップクラスの優等生だった。

ミナヲの勘違いはそれだけではなかった。マコは同級生とは比べ物にならないほどのセクシーな女体の持ち主だった。大人の女性並みに飛び抜けて発育がいい女体をセーラー服の下に隠した肉体優良女子だった。そして名門校の優等生女子のイメージからは若干外れた趣味を持っていた。

秀香蘭高校放送部(2)につづく

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