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== 腐女子モヨ子 ==

腐女子モヨ子 (26)身の上話

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腐女子モヨ子 目次

腐女子モヨ子 (26)身の上話

「オマエ、親は?…」
そういえば、両親はどうしてんだ…。
温かそうな湯気を上げる琥珀色のコーヒーをすすりながら、きつね色のトーストをかじるテツは、つい思いついたまま口に出していた。

「うひっ、は?…、あ、御尊父と御生母は…」
不機嫌そうに朝食を摂るテツをうれしそうに眺めていたモヨ子は
「わたくしめが幼少のみぎり、他界なされたで…、ございまする」
心持ち表情を暗くすると、小さい頃に両親とは死に別れたコトを告げた。

「そうか…」
なんだよ、かわいそうな身の上、ってやつか…。
オタ笑いの消えた美少女を見つめたテツは、どSご主人様らしくない同情をしていたが
「じゃあ、どうやって暮らし…」
保険金?…、それで援交か…。
生計はどうしているのか疑問に思ってそこまで言いかけたが、デブの援交オヤジを思い出した。

「は、ははっ…、生活の面倒は、叔父が一切合切を…」
テツの気持ちを察してか、乾いた笑いをツヤっぽいプックリ唇から漏らしたモヨ子は、生活費の出所を告白した。
「おじ?…、オジサンがいるなら、一緒に暮らせばいいだろ」
?…、だったらひとり暮らししなくてもいいだろ…、やっぱり、援交目的か…。
生活の保障をされていると一安心したテツは、オタ女は金目当ての援交JKだった、とイジワルな色めがねで見ていた。

「叔父は…、旦那様で、ございます…」
どSイケ面の冷たい視線から逃げるように目を伏せた美少女は、昨日のデブオヤジが叔父だと告白した。
「…、なんだとっ」
旦那様?…、身寄りのない女の子を、手込めにする、エロオヤジかっ…。
天涯孤独のモヨ子と一緒に暮らさずに、アパートでひとり暮らしさせ、気が向いたときに訪れて慰み者にする叔父に、テツは怒り心頭で叫んでいた。

「いえ、叔父…、旦那様は、わたくめが肩身の狭い思いをしないように、こうして住まいや生活費を…」
怒りをあらわにするどSイケ面に縮み上がったオタ女は、両手で自分を抱きしめてたわわな胸を押し潰し、叔父から聞かされた都合のいいお為ごかしをそのまま説明していた。
「姪を手込めにするなんて…、鬼畜だっ、人非人の、畜生野郎だっ」
コイツは、どこまでバカなんだっ…。
どSご主人様らしくない憐憫の涙を見せたテツは、恐懼してうつむくモヨ子に自分のことを棚に上げて熱弁していた。

「あわわっ、で、でも、わたくしのような父無し子(ててなしご)が生きていけるのは、旦那様がお金を…」
声を荒げるどSイケ面にますます小さくなるモヨ子は、それでも鬼畜オヤジを弁護していた。
「両親が亡くなったときの、保険金はっ?」
そうだ、その金があれば、ひとりで暮らしていけるだろっ…。
両親が亡くなったとしても、きっと生命保険に入っていたはずで、保険金があれば変態オヤジの手込めにされることはなかったはずだと、テツは思った。

「そ、それも、旦那様が管理してくれて…」
恩義のある叔父をあくまでも擁護するモヨ子は、後見人として保険金を管理していることを説明する。
「ばっ…、オマエは…」
そんなモン、オッサンが着服しているよ…。
目の前の人を疑うことを知らない純真な少女が、どうしようもなく憐れで愛おしく感じた。
「どこまで、バカなんだ…」
この、バカオタ女が…。
思わず立ち上がったテツは、怯えた目で見上げるモヨ子を抱え上げると、思いっきり抱きしめた。

「うひっ、へ?…、あわわっ、うへへ…」
なんだかわからずに抱きしめられたモヨ子は、引き締まった体の圧迫に息苦しさを感じながら、熱い抱擁にうれしそうなオタ笑いを浮かべ、だらしなく顔を緩めていた。

腐女子モヨ子 (27) につづく
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