2ntブログ

== ろま中男劇場 ==

ろま中男劇場 3.新人銀行員奈々 (25)大立ち回り

ろま中男3 作品リスト ← 初めての方はこちらをご覧下さい。
ろま中男劇場 目次

ろま中男劇場 3.新人銀行員奈々 (25)大立ち回り

オッ、ホンッ…、いいかげんに、しろ、…。
ヤベッ…。
わざとらしい咳払いのあと不機嫌そうな声がした。ビクッと震えた精志が振り返ると、ガラの悪そうな男が二人ノゾキ込んでいた。

「なんだ、カワイイじゃねえか、彼女…、オレたちも、楽しませろよ」
細身の男がドスの利いた笑いを浮かべながら奈々のお尻に手を伸ばしていた。

「おお、映画、オマエらのせいで、ぶちこわしになったんだからな」
Tシャツがはち切れそうな巨漢は、すでに息子を取りだして奈々の顔に突きつけていた。

映画館の暗がりで破廉恥行為に及ぶカップルを、少なからず苦々しく思っていた他の観客は不良たちの傍若無人を見て見ぬふりをし、意識してスクリーンを見つめて進行していく映画の行方に意識を集中させようとした。

「やっ、やだ、助けて、セイシ君…」
なに?…、や、こわいよお…、
突然現れた(というよりエッチに夢中になって気付いてなかっただけだが)やくざな連中に、催淫剤で増幅されたエロボケ気分が吹っ飛んだ奈々は、オマタにオシッコを滲ませながら精志に抱きついて震えていた。

「いいから、しゃぶれよ」
でっぷりした下腹に隠れていたラッキョウが、奈々のセクシーな着乱れた姿に赤いウィンナーに変貌していた。デブ男は自慢気にも見える笑いを浮かべながら、奈々の唇にそれを押しつけていた。

やだ、臭い…、それにちっちゃいよ、…。
唇に触れるそれに怖じ気を震う奈々は、また心の中でエロ女なセリフを漏らす自分に気付いてなかった。
ああっ、いやあっ、セイシ君、たすけえ…。
赤いズル剥けウィンナーに催淫剤の効き目よりも生理的嫌悪感が先に立って、奈々は精志の薄く筋肉の乗った胸に逃げ込んでいた。

「お、オマエら、い、いい加減に、しろよ」
部活をがんばって同級生よりも体格のいい精志だが、殴り合いのケンカなんてしたことはない。しかも2対1でハナから勝ち目はないと思った。
ここで、逃げちゃ…、だめだ…。
その絶望的な状況に震える精志は主に奈々対する所有欲から、奪われたくない一心でドモリがちな声で立ち向かっていた。

スポーツに対する闘争心はあっても、この手の輩と関わり合うことの無かったコレまでの17年の人生で、暴力を振るうなんて全く未経験の精志だった。

しかし不良という自分とは無関係の人種ともこれまで一切つきあいの無かった彼にとって、二人の無頼漢は自分とはまったく別の人種で、もっといえば凶暴な獣のような二人に対して、暴力を振るう罪悪感の後ろめたさなど無かった。

「やめろっ」
奈々を取られたくない一心の精志はデブにまず向かっていた。高速移動するサッカーボールを捉えることの出来る、しなやかな足が赤ウィナーを突き出すデブの股間を捕らえていた。

「ぐげっ」
無防備にさらした急所をストライカーのキックがモロに命中した。デブはイヤらしく笑った顔をゆがめるとみっともないうめき声を上げてその場にうずくまった。

「おまえっ」
だらしなく転がったデブにスケベ気分から臨戦態勢に切り替えた細身不良は、精志の髪を鷲づかみにして思いっきり引っ張った。ブチブチと髪が引きちぎれる音がする。

「なにおっ」
デブを血祭りに上げて若い血潮をたぎる精志は痛みなど感じてなかった。

心の奥底に秘めてきた攻撃的な野性が意識の表層に浮かび上がる。経験したことのない危機感で異常に分泌されたエンドルフィンは、髪をむしられる痛みさえ感じさせずに、精志を次の攻撃に向かわせた。

「おわっ」
髪をつかまれているのもかまわずにカラダを伏せた精志は、細身不良の足を払ってなぎ倒すと、全体重を掛けたヒジの先端でやせ身の緩んだ腹部を狙って倒れ込んだ。
「ぐ…、えぐ、おお…」
みぞおちに深々と突き刺さったヒジにみっともなくゲロを吐いたヤセ不良は、地獄のような苦しさにのたうっていた。

「奈々さん、こっち、…、あっ」
あっという間に二人の不良を倒した精志は、奈々の腕をつかむとかけ出した。

暗い劇場を出ていきなり目に飛び込んできた明るい照明に、一瞬視界が真っ白になった精志がつまずいて転ぶと、奈々も腕を引っ張られて精志の上に倒れ込んでいた。

「いったあ…、あ、セイシ君、大丈夫?…」
きゃっ、あ、まぶしっ、えっ…、あんっ、恥ずかしっ…、
まぶしさに視力を奪われたのは奈々も同じだったが、明るい廊下で転んでセイシの上に馬乗りになった奈々は、乱れたミニスカを直すと、
「でも、スゴイ強いのね…、ビックリしちゃった」
ふたりも、いっぺんに、やっつけちゃうなんて…、カッコイイ…。
またがった精志を心配そうにノゾキ込んだ。暗闇で一瞬のうちに不良をたたきのめした精志の勇姿を思い浮かべ、ウットリした表情でゆっくりと顔を近づけていった。

ろま中男劇場 3.新人銀行員奈々 (26)につづく
ブログランキング ケータイの方はこちらから
ブログランキングバナー1日1クリックご協力をよろしくお願いします。(別ウインドウが開きます)
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(愛欲)へにほんブログ村 1日1クリックご協力をお願いします。(別ウインドウが開きます)
関連記事

┃ テーマ:自作長編官能恋愛小説 ━ ジャンル:アダルト

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 15:20:56 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/2891-3de2b416
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next