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== 今日のネコ ==

今日のネコ (30)幸せな二人

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今日のネコ 目次

今日のネコ (30)幸せな二人

「…、しちゃったね」
アキオの腕の中でカラダの向きを変えたネコがはにかんだような笑顔で上目遣いに見つめる。

「うん…」
さっきまでのケダモノじみた荒々しい気持ちがウソのように納まったアキオはぼんやり応えた。
「ねえ」
甘えて汗でしっとり濡れた足を絡めたネコが聞くと
「なに?…」
アキオは気のない返事をした。

「出来ちゃったら…、してくれるんでしょ?…」
甘えた笑顔のネコはアキオの本意を確かめるように聞いた。
「…、なにが」
ネコが期待する答えはわかっていたが、アキオはわざジラして興味なさそうに応えるとそっぽを向く。
「…」
アキオの素っ気ない返事に急に不機嫌になったネコは、アキオの顔を両手でつかんで強引にこっちを向かせると、毛を逆立てた猫のような雰囲気を漂わせてのぞき込む。
「…、何だよ」
真剣な顔で見つめるネコに笑い出しそうなのを懸命に押さえたアキオは、なおもジラして真顔で見つめ返した。

「いいよ、もうっ」
浮ついた気持ちをぶち壊されて泣きそうな顔でにらんだネコは、涙が出そうになってアキオに背中を向けた。
「結婚するよ、でも、今は出来ない方が、いいな」
アキオはネコの柔らかい女体に後ろから抱きついて真面目な声をささやくと、しっとりしたやわらかい乳房を手のひらに納める。
「…、なんで?」
ちゃんとアキオが覚えていたコトにあっさり機嫌が直ってカワイイ顔を輝かせたネコは、うれしくてウズウズしながら聞き返す。

「学生同士だし、結婚して育児は大変だろ」
アキオはごく当たり前の答えを返した。
「あん…、じゃあ、どうして今日はナカで…、したの?」
アキオの指が乳首をクリクリする刺激に湿った吐息を艶めかしく漏らしたネコは、責めるような口調にならないように慎重に聞いた。
「だって、もうじき生理だろ」
ネコの不安な気持ちなど頓着してないかのように、アキオは素っ気ない口ぶりで応える。
「なんで、…」
自分でさえ忘れていたことをアキオがちゃんと覚えていることが意外だった。

「そんなの、当然だろ」
呆れたような口調にネコはムッとしたが、考えてみればアキオは危険日周辺ではナマでナカ出ししなかったような気がした。ネコはそれに頓着しなかった自分が急に恥ずかしくなって、アキオの優しさをあらためて感じていた。
「…、優しいんだ…」
乳首を弄ぶ指に軽く感じながら、アキオがいろいろ考えていることにやっと気づいたネコはしみじみした口調でつぶやいた。

「ネコは、無防備すぎるんだよ」
アキオは初対面でイキナリ部屋に入れたネコを思いだしていた。普通そんなコトしないだろ、とアキオは思い出し笑いした。
「なによ」
笑いの混じった声になんだかバカにされたような気がして、ホッペをふくらませたネコに
「…、まあ、そこがネコのカワイイ、トコだけどな」
両手で包み込んだ乳房をタプタプと揺らした。その言い方がうれしくてネコは柔らかいお尻で息子をスリスリした。ダランとしたなさけないフニャチンをいとおしく感じた。

「…、ご飯、さめちゃったね、あっため直す」
立ち上がったネコは、エプロンだけ付けて皿にラップをかけてチンした。
「…」
バスローブに腕を通したアキオは、裸エプロンの後ろ姿を眺めてうれしそうな笑いを浮かべていた。


ネコはその後も現役女子大生モデルとして活躍したが、無事大学を卒業すると大手民間企業に就職したアキオと結婚し、1年後にはカワイイ女の子を授かって幸せに暮らしている。

今日のネコ おわり
今日のネコ 番外編(31) につづく
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