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== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 2話 (13)

裏ろま中男 作品リスト
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交渉人涼子 Negotiator Ryoko
2話 女子高生監禁事件 (13)

逮捕されてやってもいい、だけど一つ要求をのんでもらう、それが聞かれなければ、コイツを殺して、俺も死ぬ、と涼子に向かって強い決意を込めた声を投げかけた。それを聞くて、いやあっ、とアキが悲鳴を上げる。男は黙って涼子を見つめていた。涼子が、要求って、なんなの、と聞くと、やらせろ、と即答した。涼子はその要求にイラついて呆れた。わき上がる怒りを抑えつつ、やらせろって、何を、と一応聞き返すと、おまえのオマ○コに決まっているだろ、と男もイライラしたように答えた。

それまで黙って涼子の後ろに立っていた山田は、何を、と男に向かっていこうとした。手で遮って山田を止めると、ダメよ、とだけ言った。そして、そんなバカなこと出来るわけないでしょ、と冷たく男に応えた。山田はその言葉にほっとした。男もその答えは予想していたようで、さっきも言ったように、要求が答えられないときは、コイツを殺して、俺も死ぬ、と真顔で応えた。

それを聞いたアキが、いや~、死にたくない、お姉さん助けて~!、と泣き声混じりの悲鳴を上げた。涼子はアキに目を向けた。大きな瞳からはボロボロと大きな涙がこぼれて、じっとこちらを見つめている。アキが座っているあたりが光っているように見えるので、ひょっとしたらお漏らししているかもしれない。普通なら同情を感じさせる姿かもしれないが、エンコーで男をさんざん貢がせたコギャルだと思うと、あまり同情する気は起きない。

バカなことを言ってないで、彼女を離しなさい、と涼子が落ち着いた声で男に向かって言う。今度は男もジレたようで、じゃあ殺すぞ、と怒気を含んだ声で言うとナイフをアキのクビに押しつけた。そのとたん、ウ、アッダー、シニッ、ウエッ、シニタク、ナイーッ、アキは恥も外聞もなく完全に泣き出した。まるで子供だ、と涼子は冷ややかな視線を向けていた。こんな子供のために、見知らぬ男にやらせるなんてまっぴらだ、と思ったが、かといって他にいい考えは浮かんでこなかった。

これまで数々の事件を解決してきた自負はある。だからといって、こんな男にやらせるほど、お人好しじゃない、などと考えていたが、男が、もう待てない、殺す、とナイフを持つ手に力を込めた。ヂヤバー、ジジダグネーッ、とアキがみっともなく泣き叫んでいる。わかったわ、だからナイフを下ろしなさい、と涼子は数歩近づいた。よし、おまえ、女をいすに座らせて、後ろ手に縛るんだ、と男が山田に命令した。

交渉人涼子 2話 (14) につづく
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