ろま中男3 作品リスト初詣 目次初詣 (1)大晦日の夜
「うわあっ、すごいね、これどこまで続いてんの…」
本殿をはるか彼方に見る参道で人混みに揉まれる典子が一人言のように、お賽銭箱に続く人並みを眺めていた。
「…、だから、いっただろ、昼間に来た方がいいって、コレ、年が明けるまで動かないぞ」
典子のセリフに耕二はそれ見たことかと言わんばかりに、出掛けるときと同じセリフを口にしていた。
「いいじゃん、こうして待ってるウチに、新年の気分が盛り上がるんだから」
出がけに言い合いしたことをまた蒸し返す耕二に、ちょっとむっとした典子はけんか腰で耕二をにらんだ。
「ああ、わかったよ…、こうして寒空の下、立ってりゃいいんですね」
口では典子に勝てないと分かっている耕二はあっさり引き下がった。
「そうよ、こうして心を落ち着けて、過ぎ去っていく年を見送って、新しい年を迎えるのよ…」
ため息をついた耕二に勝ち誇ったように笑った典子は、なんだかもっともらしいことを言って胸を張っていた。
「だったら、お正月らしく、晴れ着でも着たらどうですか…」
耕二は呆れたようにフェイクファーのボアがついたジャケットに、ミニスカとロングブーツの典子を眺めていた。
「なによ、だったら耕二が着付けしてくれるの、だいたい耕二が急に予定変更するから、美容院の予約取れなかったのよ」
カワイイ鼻の穴をふくらませてにらむ典子に、耕二はよけいなことを言ったと後悔した。
年末はふたりで旅行に行くつもりだった。しかしこの不況でアテにしていたボーナスが雀の涙になったせいで、急遽予定をキャンセルしたのだった。旅行を楽しみにしていた典子に耕二はギリギリまで言い出すことができず、結局旅行の取りやめを告白したのは予定前日だった。
「ああっ、オレが全部悪いんです…、ホント甲斐性無しの彼氏で、ごめんなさいね…」
全部不況が悪いんだ、それにオレよりもっと悲惨な人はたくさんいるんだぞ、と言いたかったが、どうせ言い負かされるだけなので、耕二はぞんざいに謝っていた。
「…、私みたいなカワイイ彼女と一緒に新年迎えられるのよ、それだけで耕二は幸せ者よ」
典子も旅行を突然キャンセルされて、言いたいことは山ほどあったが、キャンセルの理由は薄々見当がついていたので、そのことには触れなかった。
「そうですね、典子さんみたいなカワイイ女の子と一緒に新年を迎えられる私は、世界一の幸せ者です」
またため息をついた耕二は、あきらめたようにつぶやいた。
「そうでしょ…、こうしてれば暖かいし…」
耕二の顔を見上げた典子は、元気づけるように明るい笑顔を見せると耕二に抱きついた。
「やめろよ…、こんなトコでサカるなよ、恥ずかしいだろ…」
厚めのジャケットの上からでも分かる豊満な乳房を押しつけられた耕二は、ムラムラともよおして照れ隠しにつぶやいた。
「なによ…、ふ~ん、照れちゃって…、耕二クン、カワイイね」
耕二のセリフにまたけんか腰の口調になった典子だったが、股間の状態を察知すると生意気な笑顔で見上げて、グリグリと胸を押しつけてきた。
「…」
年末忙しかったせいで、しばらく禁欲生活を送ってきた耕二は久しぶりに感じる典子の柔らかい女体に、スケベな劣情を昂ぶらせて、典子のミニスカに手を忍ばせた。
「…、あっ、…、ねえ、耕二…」
ミニスカに手を入れられた典子は、ビクッと震えるとおびえた表情で耕二を見上げた。
「何?…」
この寒いのにパンストをはかない典子のお尻をまさぐりながら、耕二はしらばっくれて応えた。
「…、あのね…、あ、あんっ…、耕二…、助けて…」
パンティの上から無遠慮にお尻をまさぐる手におびえて震える典子は、つま先立ちになって耕二の耳に小さな声でささやいた。
「だから、なんだよ…、そうか、オシッコしたくなったな」
耳をくすぐる吐息に、ますます劣情を昂ぶらせた耕二は尻タブの間に手を食い込ませると、菊門のあたりを指でグリグリしていた。
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