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交渉人涼子2 7話 涼子の休日(7)

ろま中男3 作品リスト
交渉人涼子2 目次

交渉人涼子2 7話 涼子の休日
(6)担任生徒はストーカー?

「で、最近どう?」
偶然会った女子高時代の後輩に、涼子が10代に戻ったような懐かしい気持ちで近況を聞く。

「普通に先生してます、ただ…」
「どうしたの?」
「涼子先輩、あれ…」
彩は大学卒業後母校で教員になっていたのは涼子も知っていたが、彼女の顔が曇ったのを見て心配して聞くと、伏し目がちに彩が目配せする。

「あれ?…、ウチの高校の娘?」
視線の先には母校の制服を着た美少女がこちらをうかがっていた。
「ええ…」
困り顔の彩が曖昧に応える。

「どうしたんですか?」
「そうね、お茶でもしましょうか?」
彩の顔色で何かのトラブルかと山田が口をはさむと、落ち着いて話を聞いた方が良さそうだと思った涼子がみんなに声をかけた。

「いいですね、愛、ケーキセットのおいしいお店、知ってますよ」
さっきまで涼子先輩を取られそうな危機感で戦々恐々の愛だったが、そんなことはあっさり忘れてケーキのことで頭をいっぱいの嬉しそうな顔でお薦めの店を紹介する。
「じゃあ、そこに行きましょう、チョット待ってね、精算してくるから」
お茶するのにこだわりはないので、愛の申し出に乗っかった涼子は茉莉の服の精算に向かった。
「あの、オレが…」
「いいわ、お父さんからカード預かってるから、茉莉の初立っち記念だって…、茉莉見ててね」
薄給の山田がやせ我慢して払おうとすると涼子はあっさり断った。涼子のキレイな後ろ姿を見ながら山田は内心ほっとしていた。

「まだ、いるわね」
愛のお薦めの店に入った涼子は、離れた席に座った制服美少女をすぐに見つけていた。
「彼女、私の担任の子なんですけど…」
そんなことは予想済みなのか、彼女を見ようともしない彩は小さくため息をついた。

「ミルフィーユがおいしいんですよ」
「じゃあ、オレもそれにする」
茉莉をあやす愛と山田は彩の相談などどうでも良さそうにケーキセットのケーキを選んでいた。
「茉莉ちゃんは、ママのオッパイでちゅね」
山田は持ってきていたほ乳びんを取り出すと、おいしそうに飲む茉莉にニコニコしていた。

「涼子さんは、どうします?…、あ、彩さんも」
元気にほ乳びんに吸い付く茉莉に上機嫌の山田が聞くと
「彩さん、どうする?」
「じゃあ、わたしも、同じので…」
「私も同じでいいわ」
涼子も彩もスイーツにこだわりはないのか、相談事でそんな余裕はないのか、みんな同じ注文になった。

「それで、彼女がどうしたの?」
ミニスカウェイトレスに注文すると、さっそく涼子は本題に入る。
「別に私に何かするってワケじゃないんですけど…、ストーカー、っていうか?…」
彩は真っ直ぐ見つめるキレイな顔に顔を伏せると、いいにくそうに答えた。
「ええっ、女子生徒がストーカーなんですか」
「声が大きい」
「すいません…」
愛の大げさな反応に涼子が切れ長の目でチラ見するとお気楽婦警は恐縮して、スクールガール風チェックミニのスソを引っ張って小さくなっていた。

「イタズラ電話とか、なにかされたんですか?」
奥さんの友人に対してと言うより、警官としての使命感で山田が口を挟む。
「手紙を貰ったことがあります…、つきあってくださいって…」
山田の事務的な態度に顔を伏せた彩は、心細そうに告白する。
「禁断の愛の園!?…」
「愛っ」
「ひいんっ…、ゴメンなさい…」
さっき注意されたばかりなのにまた露骨に反応する愛のあからさまなセリフに、涼子が厳しい視線を向けると愛はちいさくなって山田の後ろに隠れた。

「でも、そのくらいなら…」
女子校で上級生に下級生がラブレターを渡したりするのはよくあることで、涼子は下級生に限らず上級生や同級生から手紙を貰った経験が何度もあり、実は彩からも貰ったことがあった。ラブレターぐらいでそんなに深刻になる事でもなさそうだと思ったが
「はあ、そうなんですけど…、断ったら、学校の外でもついてくるようになって…」
彩は涼子に助けを求めるような、頼りなげな目を向けていた。

交渉人涼子2 7話(7) につづく
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