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H2(ハル子とヒロ) (18)ハル子の告白

ろま中男3 作品リスト
H2(ハル子とヒロ) 目次

H2(ハル子とヒロ) (18)ハル子の告白

「そうだ、結婚…、え…、…、今、なんて?…」
ハル子との明るい未来を夢想していたヒロは、ハル子の告白に涙に濡れた笑顔を凍りつかせた。

「私、奥さんなの…、子供もいるの…」
ハル子はヒロのこわばった笑顔を見つめて、平板な声でつぶやいた。

結婚してる…、奥さん…、子供もいる…。

温かいハル子の裸体を抱いた手が震えて、指先がしびれるような感覚を感じながら呆然としたヒロは、手の中の幸せが逃げていく気がした。幸福の絶頂から奈落の底に突き落とされたような気持ちで、何も言えずにハル子の美しい顔を見つめていた。

「…、ヒロ、来て…」
絶望的な気分で落ち込んだヒロの顔を見つめていたハル子は、力の抜けた腕からするりと抜け出し、たおやかな女体を立たせてヒロを呼んだ。
「…」
魅惑的な裸体が歩いていくのをぼんやり見ながら、ヒロは夢遊病者のようにフラフラとついていった。階段をあがるハル子のおしりのワレメにさっき注ぎ込んだモノがへばりついているのが見えた。

「…これ、見て」
薄暗い寝室に入ったハル子はクローゼットの引き出しを開けてヒロに見せた。
「…、これ?…」
ヒロははじけそうな肉感的な裸体がしゃがみ込んだ横で、引き出しの中をのぞき込んだ。ごちゃごちゃとつまった引き出しをぼんやり見ていたヒロは、それが性具だとわかってやっと口を開いた。

「…これで、毎晩、夫に愛されてるの…、弄ばれてる…、って言ったほうが、いいかも…」
極太のバイブを手に取ったハル子はスイッチを入れると、けばけばしい光を放って点滅しながらグニグニと蠢く醜悪なバイブをヒロに見せつけた。
「これで…」
明滅するバイブにハル子の顔が下から照らされていた。薄暗い寝室でハル子の白い裸体が浮かび上がるのを、ヒロはまだわからないという表情で見ていた。

「…座りましょ」
バイブを元の戻して引き出しを閉めたハル子はダブルベッドに座った。ハル子が横に座るように誘ったが、ヒロはハル子を見下ろすように前に立った。ハル子の目の前にダランと下がった息子があった。

「…、夫と知り合ったのは、ヒロと別れてすぐよ…、…、異動した系列病院の、お医者様だったの…、…、私はまだ駆け出しの看護師で…、当時は看護婦って呼ばれてたけど…、親切なやさしい先生だと思ったわ…、…新米の私を、いろいろ面倒、見てくれて…」
ハル子は夫とのなれそめを話し出した。ハル子がぽつぽつと話すのをヒロは黙って見下ろしていた。

「…、やっぱり…、新しい男ができたんじゃないかっ」
ハル子がしゃべったことを何となく理解したヒロは、急に声を荒げるとハル子の肩をつかんで落ち着いた美しい顔をのぞき込んだ。

「…、そう思われても、しょうがないけど…、夫と会ったのは、ヒロと別れたあとよ…、それに夫に恋愛感情はなかった…、それは今も…」
ヒロの悔しそうな目をじっと見つめたハル子は横を向くと話し続けた。怒りと悔恨と屈辱の入り交じった感情が体の中でふくれあがるのを感じながら、ヒロは端正な横顔を見つめていた。

H2(ハル子とヒロ) (19) につづく
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