ろま中男3 作品リスト女子校生アヤ 目次女子校生アヤ (5)夢見る少女
本好きのアヤには妄想癖があった。小学校の時から図書館がアヤの一番の遊び場だった。内向的な性格のアヤは、出掛けるのはあまりスキではなく本で知った世界をいろいろと想像して楽しむのが唯一の趣味といって良かった。それが高じて自ら作り上げた世界で遊ぶのがクセになった。今日のようなエッチな妄想は自ら戒めてなるべく考えないようにしていたが、アヤは夢見がちな少女だった。
そのせいか恋に恋する傾向があり、中学の時に多くの男子生徒から想いを寄せられていたにもかかわらず、妄想の恋人のほうが大事なアヤは現実に男子とつきあったことがなかった。なんどか告白めいたことを言われたこともあったが、そのたびにアヤは意識過剰に顔を真っ赤にして、尻込みして逃げ出していた。
黒川透はアヤの理想の恋人とは正反対のタイプだったが、今日の体験でアヤのインナーワールドの住人に仲間入りしてしまった。アヤにとっては陰湿な変態男であり、嫌悪の対象である透がアヤの心の中で大きな位置を占めることになるのだが、まだアヤ自身はそのことに気づいていない。
オナニーしてすっきりしたのか、いろんなイヤなことを忘れてそれから陽気に過ごしたアヤは気分良く床に入った。翌日も爽快な朝だった。目覚ましが鳴る前に目が覚めたアヤはベッドから飛び出すと、窓を開けてパジャマ姿のまま天気のいい朝の空気を一杯に吸いこんだ。
さむ?い、…あっ、やだっ、…。
はしたないパジャマ姿を意識して、顔を赤くしたアヤはあわてて窓を閉めた。
今日もきっと、キレイね、…。
今日もいい天気で昨日見たのと同じキレイな海が見られるだろうと、アヤはウキウキしてセーラー服に着替えた。
朝食をしっかり食べたアヤを笑って見送る母に、
「行ってきます」
元気に声をかけてアヤは家を出た。
息を切らしながら通学路のキツイ坂を歩いていたアヤは全身にうっすらと汗をかいていたが、頂上が近くなって思わず駆けだした。元気に走る後ろ姿はパンチラするはしたない姿をさらしていたが、幸い昨日のようにアヤのおしりを見つめるスケベな目はなかった。
やっぱり、キレイ、…。
朝の冷たい澄んだ空気の向こうに、キラキラ光る海が広がっていた。すてきな光景をウットリ眺めて上機嫌のアヤは、昨日の変態男のことはすっかり忘れていた。
いい気分のまま学校に着いたアヤは、自分の机に座ろうとして斜め後ろに昨日の陰湿男が座っていることに気づいた。昨日の恥ずかしい記憶が蘇って急に暗い気分になったアヤは、緊張気味にぎこちなく自分の席に座った。
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