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== エロがきコナン ==

エロがきコナン (145)お巡りさんにまかせろ

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エロがきコナン (145)お巡りさんにまかせろ

「敬礼はいいから、座って…、堀内巡査、よくやった」
不動の姿勢を取る堀内に座るような促した小野木は、自信に満ちた笑みで堀内を見つめる。

「は…、しかし…」
オレは、発砲して…、人を傷つけた…。
発砲に責任を感じていた堀内は、ほめられても素直に受け取れずにうつむく。

「あの男は凶悪な性犯罪者だ、キミはその凶悪犯に囚われた女性を救ったんだ、発砲に関しては何らかの処分があるかも知れないが、キミは警察官として一般市民を守って職務を果たしたんだ、警察官としてなすべきコトをしたんだ」

小野木はなかなかの役者だった。そのしっかりした声は説得力があった。

「助けてくれて、ありがとうございました」
小野木に合わせてハルカもお辞儀して堀内に礼を言う。

「は…、あ…、あっ、わあっ」
そ、そんな…、オレ、オレ…、わああっ…。
堀内はかつて発砲イコール免職だったコトを警察学校時代に厳しく言われていた。

発砲という軽挙妄動を後悔して、自らしてしまった大それた行為に押しつぶされそうだった新米警官は、警察の大先輩から励まされ、妙齢の美女からお礼を言われて、気が抜けたのかいきなり大声を上げて泣き出した。

「堀内巡査、泣くんじゃない、胸を張れっ」
長いすに崩れ落ちてヒザに突っ伏して号泣する堀内の肩を、バンバン叩いて小野木が励ます。

「はっ…、はいっ、失礼しましたっ」
いてえっ…、そうだ、オレは警察官なんだっ、…。
体育会系の励ましは効いたようで、立ち上がって涙をぬぐった堀内は敬礼して胸を張った。

「そうだ、堀内巡査、よくやった」
小野木も立ち上がって笑って答礼する。

「お巡りさん、ハルカ先生を助けてくれて、ホントにありがとう」
なんとか警官らしさを取り戻した堀内に、オレは小学生っぽい笑顔でお礼を言う。

「いや、いいんだ、お巡りさんの仕事だからね」
子供の笑顔…、そうだ、オレは守ったんだ、…。
涙に濡れた顔に笑顔を浮かべた堀内は、オレを普通の小学生だと思って子供扱いした口調だった。

「バーンで悪者やっつけたんだよね、カッコイイ」
ヘタレ警官の上目線な物言いを聞き流したオレは、拳銃を構えるフリをしておどけていた。

「いや、そんなことは」
いやあっ、なんか、照れるな、…。
オレを子供だと思って甘く見ているのか、堀内はまんざらでもなさそうに頭をかいていた。

「そうだよね、コナン君、お巡りさん、かっこよかった」
お気楽金持ち娘もオレに合わせてヨイショする。

「いやあっ、それほどでも、市民の安全を守るのがお巡りさんの仕事だから」
カワイイじゃんっ…、オレって、カッコイイ?…、そうか、でへへっ…。

女子高生のあこがれのまなざしにすっかり乗せられた堀内は、まだ涙が乾いてなかったが満面の笑みでご機嫌だった。

「あのゴリラ、学校で盗撮してたんだ、苑子ネエちゃんも隠し撮りされたんだよね」
発砲事件のことなどもう忘れたようにご機嫌のヘタレ警官に、オレは盗撮事件のことを吹き込む。

「そうなんです、でも学校の体面のために、表沙汰にならなかったんです」
苑子もノリノリだ。辱められた女子高生を演じて顔を伏せて泣きマネをはじめた。

「この娘たちがかわいそうで…、私、大山先生に自首するようにお願いに行ったんです」
ハルカも打ち合わせ通りのセリフを言って、堀内に訴えかけるような切なげな表情を見せる。ただウソをつくのに罪悪感があるのか、苑子と比べるとちょっとぎこちなかった

「そしたら、あのゴリラ、急に怒り出して、ハルカ先生を拉致したんだ」
大根役者のハルカに内心舌打ちしながら、オレは小学生を装ってつづける。

「そうなのか、ヒドイヤツだな」
なんてヤツだ、許せんっ…、撃ち殺してやればよかった、…。

さっきまで免職に怯えていたヘタレ警官はオレたちの芝居にすっかり乗せられて、ハルカを拉致したというデタラメ(見方によっては真実だが)をすっかり信じ込んでいた。

「でもコナン君、もう安心していいよ、お巡りさんが、あの悪者をやっつけてやったし、きちんと罰を与えてやるから」

そうだ、オレがこの子たちの笑顔を守ったんだ…、あのバケモノに対抗するために拳銃を使ったからって、なんのわるいことがあるもんかっ…。

お調子者の新米警官は、持ち前の安っぽい正義感を熱くして筋肉バカに怒りを燃やし、独りよがりな思い込みで発砲行為を正当化していた。

エロがきコナン (146)につづく
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エロがきコナン (144)作戦続行

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エロがきコナン (144)作戦続行

「コナン君、乗って」
救急車が到着する頃には苑子のリムジンも到着して、先に乗り込んだ苑子がオレとハルカを呼ぶ。

リムジンは大山を乗せてやや後ろに傾いた救急車を追って走り出す。

「この人、SPの小野木さん、前は刑事さんしてたの」
一緒に乗り込んできた黒服を金持ちのお嬢さんが紹介する。残りのSPは救急車が到着すると大山の手当を交替し、苑子の警備に戻ったようだ。

「小野木です、このたびはこんなコトになってしまって、スイマセンでした」
警護責任者として発砲事件を未然に防げなかったことを気にしているようだ。

「いえ、あのバカがアレで死ぬとは思えないし、いいお灸になったと思います」
普通なら胸に銃弾を受けたら致命的だが、オレはあの筋肉バカなら多分生き延びるだろうと思っていた。

「そうです、小野木さんたちがいてくれなかったら、私たちどうしようも無かったと思います、ほんとにありがとうございました」
まだショックから立ち直れてないハルカはオレに寄りかかっていたが、シフォンチュニックのスソを引っ張ってキレイに座り直すと、大山の応急処置をしてくれたことに笑顔で礼を言う。

「そうよ、小野木さん」
苑子もハルカの後を引き継いでニコニコしていた。

「はあ…」
生真面目な性格なのか小野木は二人の美女から慰められても、表情は暗いままだった。

「小野木さんは、警察の人と仲がいいんですか?」
発砲事件になるとは思わなかったが、これで大山のことは警察沙汰になる。少々シナリオは変わるが、オレは小野木を巻き込んで作戦続行することにした。

「はあ…、警察には20年いましたから、知り合いはそれなりにいますが…」
「発砲した警官をご存じですか?」
「彼は多分新人なので面識はありませんが、この近くの交番勤務のはずですから、相棒の巡査部長とは旧知です」
作戦続行にあの発砲警官の説得が必須で、そのために小野木のコネを利用する。

好都合にも発砲警官の先輩を小野木はよく知っているようだ。

「彼を説得して欲しいんですが…」
オレは小野木に大山の盗撮事件から説明して、あの頼りない新人警官に口裏を合わせるように頼む。

「わかりました、お嬢様を盗撮した罰は受けさせます」
オレたちの気持ちを理解してくれた小野木は、協力を約束して苑子に心強い笑顔を見せる。

「小野木さん、頼もしいね」
金持ちお嬢さんはうれしそうに笑うと小野木の腕に抱きついていた。

「はっ、お任せください」
美少女に胸を押しつけられてまんざらでもなさそうな中年は、いかつい面構えを緩めて頬を赤くしていた。

そうしているウチに救急車は病院に到着した。好都合にも乱子が入院している病院だった。このあたりの大きな病院と言えばココしかないので当然とも言えるが、乱子にすぐに会いに行けるのは嬉しかった。

救急口で停まった救急車の後ろでリムジンも止まる。オレたちが降りると救急車から大山の巨大な体が引き出されていた。ストレッチャーの足がたわんで大山の体重に悲鳴を上げている。

「ちょっと、いいですか」
一緒に降りた小野木は大山の後から降りてきた堀内に声をかける。

「は、はあ…」
発砲事件を起こした事の重大さにうちひしがれる新米警官は、うつむきがちに小野木に顔を向ける。

廊下を運ばれる大山に付き添っていたが、処置室には入れないので外で待つことになる。

「私は太田巡査部長とは同期でね」
長いすに力なく座った堀内に並んで座った小野木が声をかける。

「そうでありますか、私は太田巡査部長と一緒に交番勤務しております、堀内巡査であります」
小野木を現職刑事だと勘違いした堀内は、新米でも警察の上官の命令は絶対が体に染みこんでいるのか、いきなり立ち上がって直立不動で敬礼していた。

エロがきコナン (145)につづく
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エロがきコナン (143)夕日のガンマン

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エロがきコナン (143)夕日のガンマン

バン…。
乾いた銃声がして大山の頭上を弾丸がかすめる。

極度の緊張で力んだ堀内の指はトリガーを引き絞り、平和な住宅街に発砲音が鳴り響いた。確実に始末書モノで、悪くしたら警察を辞めさせられるかもしれない軽はずみな暴挙だった。

「きゃあっ」
銃声を聞いてやっと拳銃を構える堀内に気付いたハルカが、シフォンチュニックのスソを懸命に押さえながら悲鳴を上げる。

「ひっ、ひいいっ…、く、くるなっ」
思わず引き金を引いて動転した堀内は固まってしまって、まだ両手で構えたニューナンブの銃口を大山に向けていた。

「ぬ…、貴様、ハルカ先生に当たったらどうするつもりだ」
目の前で発砲された筋肉バカは恐れるどころか逆上して、ハルカを守る騎士精神というより動物的本能で堀内に向かっていった。

「ワシがそんな豆鉄砲にビビるとでも思ったかっ」
ハルカを離した筋肉のかたまりは沈みゆく夕日を背に受けながら、震えながらニューナンブM60 3インチを構える堀内に迫っていく。

「うっ、よよよっ、寄るなっ…、うっ、ううっ、撃つぞ、来るなっ、バケモノッ」
思わず発砲してしまった堀内は完全にパニくっていた。名画ファンの堀内だが、この状況を『夕陽のガンマン』になぞらえる余裕など当然無かった。

順光で受ける夕日にまぶしそうに目を細めた堀内は、怒りのオーラをまとって迫ってくる筋肉のバケモノに失禁してズボンを濡らし、半ベソをかきながらわめいていた。

「この、痴れ者がっ」
覆い被さるような筋肉バカのカラダで夕日がさえぎられて、堀内のカラダが陰になる。

背後から受ける夕日の陰になって、目だけがギラギラするオニのような形相にますます恐ろしさが加わった大山の、ゴツゴツしたマッチョな腕が怯えた涙に濡れた目で見上げる堀内に振り下ろされる。

「ひっ」
同時にギュッと目をつぶった堀内の指に力が入って銃口が火を噴く。

ごん…。
バン…。
げんのうの様なゲンコツが制帽をかぶった頭を殴る音と発砲音が同時にした。

「ぐへっ」
「むぐ…、き、きさま…」
堀内の体はあっさり吹き飛ばされて道に転がった。胸板に38SPLをまともに食らった大山も、胸を押さえて二三歩あとずさり、尻もちをついた。

「ぐ…、なんじゃ、こりゃあっ」
盛り上がった筋肉でパッツンパッツンのトレシャツが鮮血で赤く染まる。

真っ赤に染まった手を呆然と眺めた大山は、タバコに火を付けようとして朦朧とする意識でポケットを探ったが、スポーツマンを自認する大山に喫煙の習慣はなかった。

松田優作のジーパン刑事のマネがしたかっただけである。しかし実弾を喰らった上でコントをする余裕があるとは、この筋肉のかたまりはタダ者ではなかった(ただやっぱりバカなのは間違いない)。

「きゃっ、きゃあああっ、だっ、だれかっ、助けてっ」
後ろでおそるおそる二人を見ていたハルカが、大山の血に染まった手を見て悲鳴を上げる。

「しっかりしろっ、苑子、救急車だっ」
警官と対峙する大山のただならぬ雰囲気に気付いて駆け寄ったがすでに遅かった。女の子座りで震えるハルカを抱きしめたオレは、苑子に救急車を呼ぶように指示する。

「う…、くう…、へっ…、…、やっ、やっちまった…」
脳震盪気味にフラフラ立ち上がった堀内は、胸を真っ赤に染めた大山を見てその場にへたり込む。

「もしもし、救急車っ、死にそうです、早くきてえっ」
年中頭の中が春の金持ち娘も、さすがこの状況には緊張した声でケータイに向かって叫んでいた。

「こ、コナン、くん…」
発砲事件を目の当たりにして、しかも撃たれた大山にショックを受けたハルカは、オレの腕の中で震えながら潤んだ目を向ける。

「心配すんなっ、このバケモノが一発の弾で、死ぬようなタマかっ」
怯えるハルカを何とか元気づけようと思わず大声を張り上げたオレだったが、しょうもないダジャレを口走ったことに気付いて、つい顔を緩めていた。

「う、うん…」
オレの照れ笑いを優しさと勘違いしたハルカはかすかに笑みを見せると、ギュッと抱きついてくる。

いつの間にか苑子のSPたちが現れて意識を無くした大山の応急処置をしていた。一人は苑子の安否を確認している。

オレは気付かなかったが堀内が拳銃を取りだした時点で、SPは緊急事態のレベル1体勢でオレたちを警護していたそうだ。

「ああっ、大丈夫だから、心配すんな」
テキパキと動く黒服の男たちに安堵の溜息を漏らしたオレは、ハルカを励ましながら、遠くからする救急車の音を聞いていた。

エロがきコナン (144)につづく
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