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文庫本の彼女 目次文庫本の彼女 (3)痴漢中年
揺れに注意してください…。
いつもの区間にさしかかって車両が左右に揺さぶられる。この区間は線路に慢性的なゆがみがあるのか注意喚起の車内アナウンスがされるのが常だった。
ん、ぐう…、
吊革につかまって後ろからの圧力に耐える水沢は電車の揺れで腰を前後に振られ、
ああっ…。
固くなった股間を彼女の臀部の柔らかいワレメにすりつけていた。
くっ…、
痴漢まがいの行為に彼女が端正な顔を怒らせて注意する妄想に怯えた中年だったが、
は?…、はああ…。
彼女は何事もないかのようにしなやかな指先で文庫本のページをめくる。
気にしてないのか?…。
落ち着いた彼女の涼しげな横顔を盗み見する水沢は自分という存在が全く無視されているようで不満だったが、痴漢として突き出される心配が薄れて女性に不埒な行為を働いているという罪悪感が徐々に無くなっていた。
そうだ、よくあることなんだ…、
殺人的な混雑でどうしようもない状況に置かれているだけなのに年甲斐もなく動揺する自分がみっともなく感じた水沢は、
このくらい、彼女も慣れっこなんだろ…。
電車通勤に慣れた女性なら下半身が密着する程度のことは日常茶飯事なのだと自分に言い聞かせた。こんなことでいちいち目くじらを立てていたら朝の満員電車には乗れないのだと。
ちょっと、くらいなら…。
不可抗力とはいえ犯罪まがいの行為をしている自分を正当化させた中年は、オスの本能を刺激する柔らかい女体の感触に文字通りスケベ心を出していた。
くううっ、たまらん…。
すました顔で文庫本に目を落とす女性の美しい横顔を見ながら、オッサンは腰をすりつけて固くいきり立つ息子を刺激していた。
はあ…、いい…、
あの女子社員にいわれのない中傷をされて以来、風俗以外の一般女性にたいして常に警戒心を持ち続けた水沢だが、今は忘れてオスの本能を表層意識に浮き上がらせていた。
はあ、いいきもちだ…。
エロボケ状態のオッサンはいつのまにか空いた手を下ろし、ニット地の上から柔らかい感触をまさぐっていた。
はああ…、
手の平に伝わってくる柔らかい甘美な感触にますます愚息は元気に反り上がる。
このくらい、よくあることなんだ…。
正真正銘の痴漢になってしまったやさぐれ中年会社員は、表情を変えずに文庫本を読む理知的な女性がまるで自分の所有物であるかのような錯覚さえ感じていた。
はあ…、ああ…、
混雑して隣の人間と密着する車内で痴漢行為にいそしむ手が見られる心配はなかった。
気持ち、いい…、
ムッチリした腰回りをネットリなで回しながらお尻のワレメに股間の固さを押しつけてすりつけるオッサンは、
はあ、たまらんなあ…。
後から意地になって押してくる中年リーマンのことなど忘れ、桃色極楽気分で彼女の肉体の感触を楽しんでいた。
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