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== みなしごルリイ パパと呼ばないで ==

みなしごルリイ パパと呼ばないで (13)施設とのお別れ

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みなしごルリイ パパと呼ばないで 目次

みなしごルリイ パパと呼ばないで (13)施設とのお別れ

「シスター、用意しなさい」
男を知らないオンナ盛りのカラダを我がモノにした豪徳寺は身支度を調えると、机に突っ伏してすすり泣きを漏らすシスターに、威厳のこもったバリトンの低い声をかけた。

「う、うう…、な、なにを…、う…、ですか?…」
貞潔の誓願を破り、肉欲に溺れてしまったシスターは、もうここにいられないという思いに悲しい嗚咽を漏らしながら、沈んだ声で問い返す。
「シスターにはウチに来てもらう、我が家でルリイの面倒を見てくれ」
シスターの悲しみなどお構いなしの暴君は、低くこもった声で豪徳寺家でのルリイの世話係を押しつけた。

「え…」
自分の居場所がもうこの施設にはないことを痛いほど感じていたシスターに、選択の余地はなかった。それに逆らったら多額の援助も取り消されるかも知れない。
「かしこまりました…」
シスターは体を起こすとゆっくり振り返り、か細い声で応えた。
「…、すぐに用意致します」
裸に剥かれたカラダが力なく立ち上がり、胸までまくり上げられた修道衣がスルスルと垂れた。乱れた服を直して身だしなみを整えたシスターは、しかし秘肉の亀裂から垂れる欲望の残滓をそのままにして、豪徳寺に丁寧に頭を下げるとルリイの部屋から出て行った。

ゆっくりとした歩調で部屋を出て行くシスターの、初めて男を知ったカラダから漂う淫靡な色香を敏感に嗅ぎ取った豪徳寺は、ニンマリすると院長室へシスターを身請けする話をしにいった。


「じゃあ、ルリイ、元気でね」
「うん…、みんな、ありがと…」
みんなとも、お別れ…、ううん、いつでも来ていいって、言ってたし…、
ルリイは施設の玄関でシスターたちと施設の仲間たちに見送られていた。初老にさしかかった院長の優しい笑顔に明るく応えるルリイは、
でも、シスター、どうしてそこに?…。
豪徳寺の横に控えるシスターアンジェラを不思議そうに見ていた。

院長はシスターアンジェラを連れて行くという豪徳寺に最初抵抗したが、施設の運営に不可欠な多額の援助をフイにはしたくなかった。それに豪徳寺の機嫌を損ねてこれからの援助を中止されるのも避けたかった。

本人はすでに快諾したという豪徳寺の言葉をムリヤリ自分に信じ込ませた院長は、その申し出を受け入れた。

しかしお金のために修道女を差し出すような罪悪感で、院長は玄関先で豪徳寺の横に控えるシスターアンジェラの顔が見られなかった。

「シスター、アンジェラ?…」
すがりついてくる施設の子供たちの悲しそうな顔に見送られ、こぼれそうな涙をなんとかガマンしたルリイは、超高級車の横で控えるイケ面執事の近藤に促されて車に乗り込むと、豪徳寺の隣に座るシスターに声をかけた。

「シスターにはウチに来てもらって、ルリイの面倒を見てもらうことになった、そうですね、シスター」
「はい…、ルリイ、これからも一緒よ、よろしくね」
豪徳寺がそれに応えるとシスターは小さく頭を下げ、ルリイにかすかに愁いを帯びた優しい笑顔を向けた。

「ホントにっ…、でも、いいの…」
シスターが一緒にっ?!…、うれしいっ…、でも…。
シスターアンジェラと離れなくてもいいのはうれしいが、シスターが信仰を捨てて自分のために犠牲になるような気がして、手放しには喜べなかった。
「…、ルリイが心配するコトなんて、何もないのよ…」
ルリイの優しい気遣いに涙がこぼれそうになったシスターは
「お父様に誘って頂いて、私、うれしいんだから」
しかしニッコリ笑って紺ミニスカを押さえる手を握った。

「そう…、じゃあ、シスターとずっと一緒ね」
え…、震えてる?…、どうして?…。
明るい笑顔を見せるシスターの手がかすかに震えているのを敏感に感じたルリイは、しかしそのことを口に出してはいけない気がして、陽気に応えた。
「そうよ、これからお嬢様のお世話をさせて頂きます、よろしくお願いします」
ルリイの表情から動揺を気取られた事に気付いたシスターだったが、冗談めかした口調で明るく笑っていた。

みなしごルリイ パパと呼ばないで (14)につづく
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