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大学教授美穂 (59)課外講義

ろま中男3 作品リスト
大学教授美穂 目次

大学教授美穂 (59)課外講義

「人は基本的に被虐的な性向を持っているの…」

激しい愛の交歓の後
まったりした空気に包まれた美穂は、
真田の腕に抱かれながら
ピロートークのつもりで話し出した。

「今、日本では平均寿命が80歳を超えているけど」
「数百万年の人類の歴史で人間の平均生存期間は」
「せいぜい30年程度という報告があるわ…」

大学の講義のような美穂のしゃべりを、
受講しているように真田は黙って聞いていた。

「人の生殖は10代半ばから活発になるわ…」
ニッコリ笑った美穂は真田の下半身をまさぐった。

「ということは15歳で子を産んで」
「子が生殖できる一人前の15歳になったら」
「30歳になり、その役目を全うして人生を終える…」

学生相手の授業のつもりになって
調子の出来てきた美人教授は、
固さを増した真田のそれを優しくなでていた。

「子孫を残すための人生…」
「まさに生命の根源的な存在理由ですね」

真田は艶めかしい指で
下半身を刺激されて、
かすかに吐息の音を漏らしていた。

「そうね…」
「命のリレーという生物の基本命題だわ」

まじめな学生のやる気を下半身に感じて
ウットリした表情を浮かべた美穂は、
大人の妖艶な魅力を漂わせていた。

「人が生殖能力を持つのは」
「生まれてから10年以上経ってから…」
「これは生物として異常に長い期間よ」

「一般に生物は体が大きいほど」
「長生きと言われているけど」
「ゾウの性成熟年齢がほぼ人間と同じね」

「サル目ではオラウータンが」
「性成熟に達するのが同じような年齢だわ」

「しかし他の動物と比べて」
「人が外敵に無力な幼年期は異常に長い」

「サル目の多くが生まれてすぐに」
「母親につかまる能力を持っているけど」
「人間にはそれすらない」

「生まれて二年程度は」
「自分で逃げるコトもできない」

「こんなに未熟な状態が長い」
「生物が他の生物に駆逐されずに」
「絶滅しないで生き残ってきたのは」
「大人の人間が」
「長期間献身的な子育てをする」
「行動パターンを本能的に持つからよ」

ここまで話し終わった美穂は、
真田の顔を見つめた。

「つまり人間の本性は」
「子を守るために」
「自分を犠牲にするということですね」

美穂の説明が
やっと最初の「被虐的な性向」に
つながったことに、
真田は納得したように応えた。

「そうよ」
「人類の社会性を」
「本能に反する特質」
「という考えもあるけど」
「それが本能でなければ」
「こんなに長い人間の歴史で」
「連綿と続くはずがないわ」

「子供を守るため」
「ひいては社会の秩序を守るため」
「自らを犠牲にするコトに」
「喜びを見いだす本能が」
「人間には備わっているの」

美穂は湿った溜息をついて、
鼻が触れるほど近い真田の顔を見つめた。

大学教授美穂 (60) につづく
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