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== 大学教授美穂 ==

大学教授美穂 (47)フレンチで

ろま中男3 作品リスト
大学教授美穂 目次

大学教授美穂 (47)フレンチで

「…早く乗りなさい」

タクシーの前でぼんやり立つ真田に、
美穂が声を掛けると慌てて真田は乗り込んできた。

「どこ?」
美穂にうながされて真田が行き先を告げるとタクシーは走り出した。

真田は横に座る美穂のミニスカから伸びる色っぽいナマ足を
ドキドキしながら盗み見していたが、
それに気づいた美穂がさりげなく足を組むと、慌てて外に視線を向けた。

「…、ずいぶん立派ね」
料金を払おうとする真田をさえぎって、
自分で払った美穂は真田をうながしてタクシーを降りると、
ちゃんとしたフレンチレストランの門構えに、意外そうにつぶやいた。

「あなた、いつもこんなところに来てるの?」
美穂の反応になんだかうれしそうな真田に聞くと
「…いつか、教授をお誘いしようと調べてあった店です」
胸を張って応えた。

「…、そう」
この子、ホントに私が好きなのかしら、…。
ちがうわ、きっと若い子と来た店よ、…。

真田の告白を信じようとしない美穂は、
わざとひねくれた考え方をしていた。

「…教授、どうぞ」
うれしそうにエスコートする真田の格好を見た美穂は、
こんなみすぼらしい格好でいいのかちょっと不安だったが、
出迎えたギャルソンは予約もないのに感じのいい態度で二人を迎え入れた。

ランチが終わったあとで店は閑散としていた。
すぐにソムリエがアペリティフの注文を取りに来たが、
美穂は断って料理のメニューを要求してアラカルトを数品注文すると、ワインも指定した。

「…勝手に決めて悪かったかしら」
ソムリエが帰ると美穂は真田に声を掛けた。

「いいえ、とんでもないです、こういう場所は慣れてないので助かりました」
テキパキと注文した美穂に相好をくずした真田は、
本心からホッとしたような表情で美穂に尊敬のまなざしを向けていた。

「前に来たことあるんでしょ?」
ホントに、私を誘うために調べたのかしら、…。

さっきの真田の言葉を思いだした美穂は、探りを入れるつもりで聞くと
「…、いや、こんな高そうな店、初めてです、さすがに教授は場慣れしてますね」
バカ正直にホントのことを応える真田は、美穂の堂々とした態度に感心してた。

「楽しく食事できればいいのよ」
どうやら、私を誘うためって、ホントみたいね、…。

真田の尊敬のまなざしで気分の良かった美穂は
それらしいことを言って応えた。

大学教授として恥ずかしくないように
フレンチの知識ぐらいは常識として身につけていた美穂は、
しかし正式なフレンチには数えるほどしか行ったことがなかった。

「…ところで、なんで、アナタがあそこにいたの?」
もう何となくその理由は分かっていたが、
真田の顔を真っ直ぐに見つめた美穂が意味深な笑いを浮かべてつぶやいた。

大学教授美穂 (48) につづく
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