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== 大学教授美穂 ==

大学教授美穂 (4)マウスツーマウス

ろま中男3 作品リスト
大学教授美穂 目次

大学教授美穂 (4)マウスツーマウス

しばらく美穂の横顔にうっとりしていた後藤だが、
まだ美穂は息をしていない。

そろそろ呼吸しないとまずいのではないか、…。
そう思うと後藤は恐ろしくなってきた。

もし、このまま美穂が死んでしまったら、…。
そう思うと今までヤニ下がっていた気分もいっぺんで消し飛んだ。

何らかの罪に問われるのではないか、…。
罪に問われなくとも、大学にはいられないかもしれない、…。
後藤はすっかり弱気になっていた。

とりあえず脈を確認してみた。
相変わらず、かすかだが脈は感じる。

まだ間に合う、…。
後藤は決心して、マウスツーマウスを始めた。
今までこんな状況に出会ったこともなく、
マウスツーマウスの経験ももちろんない。
見よう見まねでやってみた。

「とりあえず気道の確保だ」
息を吹き込むためにはのどが閉じていてはダメだ
というくらいは知識として知っていた。

「あごを上げれば…」
顔が天井を向くように首を曲げて、美穂の顔を覗き込む。
下あごに手をあて、口を開かせる。

小さな口が開いて、歯並びのいい白い歯が目に飛び込んできた。

そんなことに感心している場合じゃない、…。
口の奥を覗き込んで、のどが閉じていないことを確認する。

「息を吹き込むんだ」
決心するようにつぶやくと大きく息を吸った。
片手で鼻をつまんでもう一方で下あごを支える。

小さく開いた唇の外側に交差するように口を当てて、
息を吹き込んだ、
口を離すと息をしているか確認しようとするが良くわからない。

「息を吹き込んだときに、胸が膨らんだのを確認しないと」
胸に手を当てると女性特有のやわらかい感触があった。
普通なら大喜びの状況だが、今はそんな余裕はない。

もう一度大きく息を吸い込むと、口を当てて息を吹き込んだ。
胸に手を当てると胸が膨らんでいるようだった。
そして静かに元に戻っていく。

また大きく息を吸い込んで、息を吹き込む。
さっきと同じだった。何度かそれを繰り返した。

もう一度、…。
そう思ったときに、
スーとかすかな音が聞こえてきた。

胸に手を当ててみると、
上下するのがわかった。
しばらく待つとまたスーと聞こえる。

呼吸が戻った。
安心すると同時に気が抜けた。
あわてて胸から手を離した。

大学教授美穂 (5) につづく
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