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== 大学教授美穂 ==

大学教授美穂 (2)大学教授美穂

ろま中男3 作品リスト
大学教授美穂 目次

大学教授美穂 (2)大学教授美穂

大学教授の美穂は疲れていた。
教授室の床で横になっている自分に気づいたときは驚いたが、
最近忙しかったからだと思った。

大学で最も若い美貌の教授と噂される美穂だが、
最近は論文の執筆にかかりきりになっていた。
この論文が認められれば、教授会での美穂の地位も向上する。

「唇も荒れてるみたい」
唇に手を当てたとき何かを感じた気がしたが深く考えもせず
化粧直しにトイレに向かった。

床に寝てしまうとは、疲労も度を越してる、…。
鏡に映った顔もいつもより覇気がないように感じた。

しばらく休みも取ってないわ、…。
しかし論文の提出期限が迫っている。休んではいられない。

美穂は研究室で准教授らと打ち合わせをしていた。
「後藤君、まだ出てないみたいだけど」
頼んでおいた資料を講師の後藤に催促した。

後藤はそこそこ二枚目だが、何を考えているのかよくわからない。
美穂よりふたつ年下でいまだに講師。
うだつのあがらない男という印象だった。
返事がないので顔を上げて後藤の席に視線を向けると、
薄い笑みを浮かべた顔がこちらを見ている。

その笑顔に引き込まれるような気がしたが、気を取り直して
「頼んでおいた資料はどうなってる」
再度聞くと、
後藤はやっと美穂の言葉に気づいたように真顔になって
「しばらくお待ちください」
額の汗を拭きながら答える。

「いつまでに出るの」
「今日中には…」
「今日中ね」
美穂は念を押すと書類に目を落とした。

やっぱりこの男、良くわからない、…。
つかみ所のない男に何か引っかかる気がした美穂は、
声を掛ける前から後藤がこちらを見ていたような気がした。

大学教授美穂 (3) につづく
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