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秀香蘭高校放送部(58)マコのお願い

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秀香蘭高校放送部 目次

秀香蘭高校放送部(58)マコのお願い

「は?…、あ、ごめんっ」
いまいち焦点のあってない目で無表情に見つめてくるマコが何を考えているかまったくわからないが、カラダ前面に押し付けられた柔らかい弾力でマコを抱きしめていることにようやく気づいて慌てて離れた。

離れたところで水に戯れてはしゃぐクラスメイトは、地味な二人の存在などまるでいないかのように子供っぽい楽しそうな声を上げていた。プールの隅に二人だけの空間ができていた。

「…、ミナヲくん、泳ぐのうまいね」
突き放されたマコは一瞬寂しそうな表情を見せたが、逃げようとして背を向けるミナヲを抑揚のない声で追いかけた。
「う…、そうかな…」
(やばい…、きょ、きょわい…)
反射的に振り返ると何の感情も感じない黒目がちな目が見つめている。メガネがないと50センチ先も見えないド近眼のマコはミナヲの表情が全く見えてないはずだ。ただ表情のない目がサメの目のようで怖くてその場から動けなかった。ついさっきまで映画『ジョーズ』の主役である巨大海棲生物になりきって支配者気取りだったが、今はその地位をマコに奪われていた。
(逃げたら、後ろめたいことを認めることになる…)
痴漢行為を責められている気がしたミナヲは、辛うじてその場にとどまると目をそらしたまま応えて、その場にとどまった。

昨晩に裸族姿のマコを隅から隅まで観察し、裸で密着して抱きしめたりしているが、痴漢行為をして触るのはいけないことだという感覚があった。一時の興奮に駆られてしてしまったことはいまさら取り返しがつかないが、マコから卑怯な痴漢呼ばわりされるのはいやだった。

「潜水して、泳いでたでしょ」
みっともなくおどおどするミナヲに対して、マコは平常心に見えた。
「あ、ああ…」
(気づいてた?…、脅す気か…)
やっぱり潜水してヒップタッチしたことがバレていて、痴漢行為を責められると思った。まともにマコが見られなくて目をそらしたまま適当に相槌を打った。しかし視界の端っこに見えるスク水の胸に押しつぶされた乳房の深い谷間はしっかり確認していた。

「私、泳げないの」
逃げ腰のミナヲにマコは前のめりだ。スク水が大きく空いた胸元の深い谷間が迫ってくる。
「は?…」
(何いってんの?…、どういうこと?…、でも潰れてもデカイな…)
とにかく逃げたくてヘタレに怯えるミナヲだったが、スク水の圧迫に大きくて左右にひしゃげて、開いた胸元から乳肌があふれる寸前の見事な乳房の誘惑には抗えなかった。逃げ出したい気持ちに背中を引っ張られながら、水面に顔を沈めて谷間にのめり込みたい欲望と戦っていた。
「…、教えて、ミナヲくん」
胸が触れるほど迫ってきたマコがじっと見つめてつぶやく。

「え…」
(コイツ…、こんなに可愛かったか…)
近眼特有のウルウルした目がヘタレ痴漢男を胸キュンさせる。
「泳ぎ?…、あ、ああ、いいよ…」
(逃げたいけど…、逃げたら、騒ぎ出すかも…)
プルプルした唇から目が離せない。超難関校秀香蘭の受験を経験するまで都合の悪いことから逃げてきたミナヲは、とりあえずこの場からいなくなりたかった。しかしヒップタッチした痴漢行為発覚を恐れる後ろめたさでマコのお願いにOKした。

秀香蘭高校放送部(59)につづく

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