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痴漢電車の女たち 2.まさみの場合(8)

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痴漢電車の女たち 目次

痴漢電車の女たち
2.まさみの場合(8)再び山本くん襲来

桜田先生はまだ納得してなかったみたいですが、それ以上の追求はしませんでした。私はなんとか失敗を取り繕うことが出来てほっとしました。

それで少しは食欲が出てきたのでお弁当と食べようとしたところ「せんせい」と声をかけられました。ハッとなって横を見ると山本くんが立っていました。彼はこういう風に私が油断している時を狙ったかのようにやってきます。目立たない生徒のサプライズアタックに動揺した私は、「なに?」と応えるのが精一杯でした。

彼は「教えてほしいんです」と無表情に問いかけます。私は胸の激しい動悸に落ち着かない気持ちを抑えこんで、また「なに?」とだけ聞きました。ふと気になって桜田先生を見ると、彼女も山本くんを気にしているようです。人好きするキレイな横顔にちょっと冷たさが帯びた表情を見せて山本くんの様子を窺っています。あんなことを言ってしまった直後なのですから当然です。

桜田先生は「山本くん、担任の私じゃダメかな」といつもの笑顔に戻って彼を見つめました。わかりにくい表情で考えてるように見えた彼は「いや、麻沙美先生がいい」と私を指名しました。下の名前で呼ばれたのは本当に久しぶりでドキッとしました。無表情な彼は相変わらず不気味でしたが、人気者の桜田先生を差し置いて自分が指名されたことに少しだけ嬉しくなっていました。

桜田先生は「山本くん、下の名前で呼ぶなんて失礼でしょ、中沢先生ですよ」と注意して、不機嫌そうでした。そういう彼女の表情をこれまで見たことがなかったので、私のつまらないプライドはさらにくすぐられました。その場ではよくわかってなかったですが、根暗な私は不機嫌な桜田先生がやっかんでいるように感じて、優越感に浸っていたのだと思います。

私が些細なことで溜飲を下げていると、桜田先生は「中沢先生、お昼がまだだから、あとにしたら」と山本くんを掣肘しました。それで私はよけいに浮かれていました。本当に私は小さい人間だと思いますが、だからこそこういうささいなことに幸せを感じてもいいんじゃないかとも思ってます。

気分のいい私はお弁当なんてどうでも良くなっていました。「いいのよ、ダイエットしようと思ってたし、ここで話しする?」ととびきりの営業スマイルで応えました。彼はボソッと「さっきみたいがいい」とつぶやきます。「さっき」と言われてまたお尻を触られるんだと思いましたが「そうね、準備室のほうが資料、揃ってるしね、いいわよ」と陽気に言って、彼の指で恥ずかしい場所を弄ばれる不安をごまかしました。

席を立った私に桜田先生は「先生、一緒に行きましょうか」と心配そうに声を掛けてくれました。でも私は「担当科目のことだから、心配ご無用よ」とまたウソを吐いてごまかしました。私みたいな地味女を心配してくれる彼女には罪悪感でしたが、山本くんに対する不安と期待が入り混じった浮かれた気持ちはもう準備室に向かっていました。

「(あ…)」職員室を出るとき彼の手がお尻を触った気がしてドキッとしましたが、私は何もなかったと自分に言い聞かせました。でも替えたばかりのパンティにまたいやらしいシミができていました。準備室に向かう廊下を二人で並んで歩いているだけでドキドキしました。生徒に見られるかもしれないこんな場所で「またお尻を触られたら」とか、「スカートに手を入れられたら」とか、「パンティまで手を入れられたら」と心は千々に乱れて、パンティのシミはますます大きくなっていました。

痴漢電車の女たち 2.まさみの場合(9)につづく

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