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== 彼女は幽霊 ==

彼女は幽霊 (17)電波系彼氏

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彼女は幽霊 目次

彼女は幽霊 (17)電波系彼氏

「なあに、ツトムくん?」
突然声を上げるツトムに慣れてきたアンはお気楽な笑顔で声をかけた。

「あ、いや、あ、ああっ、本がいっぱいあるんで、驚いて…」
自分以外には見えない幽霊の急激な変化に驚いたとはいえず、ツトムはしどろもどろに適当な言い訳を口走っていた。
「新入生ふたりですけど、入会できますかあ?」
ツトムの苦しい言い訳を全く気にしてないアンは、やっと手を離して部屋の奥に行くと男に話しかけた。
「彼も一緒?」
大部の本から顔を上げた男は、ツトムの存在に気づくと不満そうに聞いた。
「はい、私の彼氏なんです」
男の感情の変化を気にしてないのか気づいてないのかわからないが、アンはお気楽ギャルのノリで自慢げにツトムを紹介した。

「(どうしたんだよ?、怖いよ)」
男に馴れ馴れしいアンがちょっと気になったが、それよりもさっき見たシメ子の顔がトラウマ気味なツトムは小声で問い詰めた。
「(なにがですか?…、ツトムさん、変ですよ)」
振り返った肩口にはシメ子が白々しく目をそらし、Tバックビキニのお尻を見せつけるようにプリプリ振っていた。般若のような恐ろしい表情は完全に消えて元に戻っていた。それに重苦しい雰囲気も感じなくなっていた。
「(…、なんか隠してるだろ)」
シメ子は何か誤魔化そうとしていると直感した。
「(別になんでもありませんよ)」
詰問するツトムにシメ子は二の腕で巨乳を挟みつけて寄せるきわどいセクシーポーズを見せ、しらばっくれていた。

「ツトムくん、また電波来ちゃったの?、入会届、書いて」
ツトムが問い詰める幽霊が見えてないアンは、独り言の多い恋人を茶化してお気楽な笑顔で入会届けを差し出してきた。
「…、ああ…」
(シメ子め、帰ったらシメてやる…)
アンから電波系扱いされてしまったツトムは、これ以上おかしな奴と思われないようにとりあえずシメ子を無視することにして入会届の用紙を受けとった。
「ツトムくんって、春日井さんだったんだ」
入会届を記入するツトムを覗き込んでいたアンは、ツトムの名字を初めて知って大発見したような大げさな声を上げた。
「あ、ああ…」
(そういえば、アンの名字、知らないや…)
その声にツトムは数時間前にあったばかりのアンを何も知らない事に気づいた。
「書きました、よろしくお願いしまあすっ」
入会届を書いたアンは、男にギャルのお気楽ノリで妙に親しげに話しかけていた。
「会長の沢村です、4年です」
男は沢村と名乗ると、ロリ美少女の女体を舐めるように見ていた。特にミニスカからナマ足を眺める目は性欲異常者の目だと思った。

「よろしくお願いします、あっ…」
(目つきがイヤらしいいんだよ、え?、エロっ…)
沢村の目つきが気に入らないツトムは仏頂面で入会届を差し出した。無言で受けとった会長の手元を見たツトムは、それが歴史書というより江戸時代のエロ本である春画だと気付くとまた声をあげてしまった。

彼女は幽霊 (18)につづく
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