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== 彼女は幽霊 ==

彼女は幽霊 (16)サークル入会希望

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彼女は幽霊 目次

彼女は幽霊 (16)サークル入会希望

「ツトムくん、サークルどうするの、アンはツトムくんと同じとこがいいな」
幽霊のせいで恋人だと思い込まされたとも知らずに、リア充気分でツトムの腕に抱きつくロリ美少女アンはサークルをどうするか聞いてきた。

「え、あ…、ああ、どうしようか…」
肘に押し付けられる丸みを帯びた弾力にまた股間が騒ぎ出しそうで気が気でないツトムは、サークルには全く関心がなかったので、不意を突かれた問いかけに適当に相槌を打っていた。
「じゃあ、歴史研究会入ろうよ?」
ツトムに希望がないのを見越していたように、アンは具体的な文系サークルの名を上げた。
「歴史?…、アンは歴史が好きなの?」
アンのようなタイプならテニスサークルなどの軟弱な体育会系サークルだろうと勝手に思っていた。というよりテニスウェアをまとったピチピチした女体を鑑賞するスケベ願望を秘めていたツトムは、アンが地味な文系サークルに入りたいと言い出したのが意外だった。

「(ごめんなさい、私が入っていたサークルなんです)」
ツトムの気持ちを察したように肩のあたりで漂う、Tバックのお尻が眩しいビキニ姿のシメ子が囁いた。シメ子はツトムに憑いた幽霊なのでアンには姿が見えないし声も聞こえないが、やっと聞こえるくらいの小さな声で喋った。
「(なんだ、そういうことか…)」
アンがツトムを恋人だと思いこんでいるのはシメ子の気持ちを注入するという幽霊の超常能力のおかげで、歴史研究会はアンがシメ子の希望を代弁したんだとツトムは納得した。
「ん?…、なあにツトムくん、よく聞こえない」
ロリ衣装の大きな胸を更に押し付けて上目遣いに顔を上げたアンが、小声で幽霊と会話するツトムをニコニコして見ていた。
「あ、いや、じゃあ一緒に歴史研究会入ろうか」
シメ子との会話でアンの存在を忘れていたツトムは焦り、あっさりアンの希望を受け入れた。
「いいの、うれしいっ、じゃあ、いこっ」
安請け合いしたツトムに、アンは自分が幽霊の意思に操られているとも知らずに素直に喜んでいた。ツトムの腕をしっかり掴んだアンはサークル棟のある方に歩いていた。
「あ、ああ…」
(そうか、シメ子が知ってるか…)
歴史研究会がどこにあるかも知らないツトムはなかば強引に連れて行かれることに抵抗を感じたが、すぐにシメ子に連れて行かれていることに気づくと、おとなしく従っていた。

「こんにちは、入りたいんですけど、いいですか」
迷わずに歴史研究会の前に到着したアンは、ドアを開けると人懐っこい笑顔で覗き込んだ。
「入会希望?、入って」
部屋の中から男性の声がした。
「しつれいしまあすっ」
お気楽なアンは嬉しそうに部屋に入った。腕を掴まれたままのツトムは一緒に引っ張り込まれた。

「…、えっ」
(なんだ、これ?…、へ?、こええっ…)
薄暗い部屋には歴史書らしい大量の本に埋もれるように男性がうつむいて一人座っていた。部屋に入るのと同時に肩が重くなり、全身が重苦しい空気に包まれるのを感じた。振り返るとシメ子が般若のような形相で部屋の奥の男を睨んでいた。

彼女は幽霊 (17)につづく
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