ろま中男3 作品リスト水泳部マネージャー 目次水泳部マネージャー (1)オンナの花園
?…、うっ、痴女?…、オレにも、来た?…。
朝の混雑した電車内で幸太は自分にも来たと思った。セーラー服が風俗のコスチュームのような美人の官能的な女体が幸太のカラダに密着し、膨らんだ股間をその手がまさぐっていた。
新条幸太は進学指導で絶対ムリと当時の担任に太鼓判を押された高偏差値名門校に、何かの間違いか奇跡の合格を果たした高校1年。
受験動機は去年まで女子校だった私立秀香蘭高校で入学して現役JKに囲まれてウハウハな高校生活を送りたいという、全国の真面目な受験生に申し訳ない浮ついた理由だった。
今年から男女共学になったとはいえ、秀香蘭は全校生徒約900人の98パーセントが女子、70人以上いる教職員は全員女というまさにオンナの園だった。
15~18歳の思春期女子でむせかえる秀香蘭はスケベ男から羨望のまなざしで見られる存在で、いかがわしい妄想をする輩からは朝露に濡れた蘭をかたどった校章が愛液を垂らす女性器に見られていた。
しかし勉強の出来る女子が圧倒的多数を占めるという環境は落ちこぼれの浮ついた気持ちをあっさり粉砕し、幸太をヘタレに萎縮させた。同級生男子は秀香蘭に合格するのが当然の優等生揃いでイケメンも多かったが、「奇跡の合格」をした幸太は秀香蘭では箸にも棒にもかからない存在だった。
勉強も運動もたいしたことのないさえないチビが自分より頭のいい女子から相手にされるはずもなく、入学前に妄想していたバラ色の高校生生活とは全く無縁な灰色の現実に幸太は打ちのめされた。
クラスメイトは男子がひとりいるだけで残りの28人は女子だった。名門校らしい規律正しさはあるが、難関校受験を突破してはじけた高1女子集団のパワーは頼りなく見られがちな同年男子を教室の隅に追いやっていた。
秀香蘭は受験難関校として有名なうえに運動部も全国的に活躍する部活が揃っているが、同級生にさえ圧倒されるヘタレチビに年上女子ばかりの部活に飛び込む勇気はなく、幸太は毎日授業が終わるとすぐに帰宅する生活を送っていた。
苦行のような高校生生活も3ヶ月が過ぎて紺色セーラー服が純白夏服に変わった頃、晴天続きで気温が夏日に上昇したある昼休みのことだった。女子のかしましいおしゃべりが飛び交う騒がしい教室の隅で、幸太は唯一の男のクラスメイト城寶秀典と机を並べて売店で買ったパンをボソボソかじっていた。
「幸太、知ってるか」
牛乳でパンを飲み込んだ秀典が真剣な顔で顔を寄せてきた。
「何?」
いつになく緊張した表情を見せて声のトーンを落とす同級生のただならぬ様子に、幸太も顔を寄せて続きを促した。
「朝の電車で、痴女が出るらしい」
周りをこっそりとうかがって楽しそうにおしゃべりする女子がこちらにまったく注意を払ってないのを確かめると、秀典はさらに声を落としてエロ話を始めた。
「はあ?」
入学前はエッチな妄想に浮かれた幸太だが、3ヶ月の高校生活で現実の女子をイヤと言うほど思い知らされてバカな希望を持たなくなっていた。
幸太は女子に聞かれたら総スカンを食らう恐れのある猥談が教室ではタブーだと重々承知していた。禁を破ってその手の話題を持ち出す同級生に不快そうな表情を見せた。
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