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短編 目次短編 (79)裏木戸からジョージ(1)
播口季絵は24歳、大学卒業後すぐに親から勧められた見合い相手と結婚して3年目の若妻。現在35歳の県庁職員の夫と、郊外の純和風の一軒家に二人暮らししている。
純和風と言えば聞こえはいいが、戦前から建っている農村の旧家だ。お嬢様育ちの季絵は一目見て座敷童でも出そうだと怖じけたが、今は逆に出てきて欲しいとさえ思っている。
典型的な仕事人間の夫は毎日残業が当たり前、通勤に2時間かかるので帰るのはいつも午前様。朝は6時に家を出るので会話もほとんどない。
夫との時間は土曜日の夜のセックスぐらいだ。仕事人間でも子供は欲しいようで、土曜日の夜は季絵のカラダを貪るように求めるが、終わるとすぐに寝てしまう。
美人でスタイルも良く、明るい性格の季絵は学生時代に多くの男子学生から言い寄られたが、厳格な親に育てられたせいか奥手で、特定の男友達さえいなかった。夫が初めての男でまだセックスで満足感を得たことがない。
夫の両親がいたときにはそれなりに賑やかだったろうが、季絵が嫁入りする前に亡くなっていた。夫が登庁中は家事を終えてしまえばやることもなく、だから座敷童でもなんでもいいから出てきて、相手をしてくれないかと思っている。
…、寝てた?…、
縁側の居間で居眠りしていた季絵はけだるそうに体を起こした。
あ…、洗濯物…。
今日も夫の帰りは遅い。寝ぼけ顔のまま縁側でつっかけを引っかけた季絵は、洗濯物を仕舞いはじめた。
あれ?…、
洗濯物も夫と自分のモノだけだからたいして量はない。取り込みはすぐに終わり、下着が足りないことに気付いた。
落ちた?…、
風に飛ばされたのかと思って庭を探したが見つからない。
変ね…。
そんなに気に入っていた下着でもなかったし、一枚無くなったからといって何か困るわけではないので、季絵はそのことをすぐに忘れて夕飯の買い物に出掛けた。
次の日も午前中に家事を終えて、特にやることもない季絵はまた居間で居眠りしていた。
…、播口さん…。
…、え?…。
遠くから呼ぶ声がして目を覚ますと、郵便配達の男が庭に立っていた。
「播口さん、郵便です」
男の顔は知っていたが名前は知らない。この親切な郵便配達員は表玄関のポストではなく、わざわざ裏木戸から入ってきて郵便物を届けてくれる。
「…、ご苦労様です…」
…、あ…。
寝ぼけまなこで郵便物を受け取った季絵は、伏せた目の視界に入った男の股間を見て目が覚めた。
男の股間は持ち物の立派さを示すように、制服の上からでもはっきりわかるほど膨らんでいた。
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