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短編 (39)下着ドロ(2)

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短編 目次

短編 (39)下着ドロ(2)

「あ、メール来てる」
ケータイが点滅しているのを見て、亜樹は手を伸ばした。

シャワーを浴びながら朝っぱらからオナってしまった亜樹は、バスタオル一枚巻いただけの姿で、朝食代わりの野菜ジュースを飲んでいた。ちなみに開けはなった窓から、色っぽい姿が丸見えなことは、相変わらず気付いていない。

「なにこれ?…」
呪い、って?…。
メールのタイトルを見て亜樹は眉を顰めた。迷惑メールはよく来るが、タレントがメル友になろうなどという見え透いた詐欺メールのたぐいで、「呪いのメール」などというあからさまに怪しいメールは初めてだった。

「やだ…」
おそるおそる本文を読むと、「オマエは、今日死ぬ」とだけ書かれていた。
「キモッ」
シンプルすぎる文面に怯えた亜樹は、いきなり消去してケータイを放り出した。

「あ、遅れちゃうっ」
時計を見るとすでに出勤時間を過ぎていた。朝オナで時間を食いすぎたようだ。慌ててバスタオルを外した亜樹は、スッパでチェストから無意識にエロエロな勝負下着を選んで着用すると、白ブラウスにタイトミニのスーツを着た。

本人は無意識に選んだつもりだが、オナニーで昂ぶったままの潜在意識が、まだ発情の収まらない若々しい女体を魅力的に見せるセクシーな下着を選んでいた。

はあっ、間に合った…。
急いで部屋を出た亜樹は駅まで走り、なんとか遅刻ギリギリの急行電車に乗ることが出来た。
混んでるなあ…。
たぶん亜樹と同じように会社に急ぐ会社員でいっぱいの電車は、いつもの倍以上の混雑とむせるような人いきれを感じた。

あれ、痴漢?…。
混雑に息苦しさを感じながら、ふと目線を落として前にいるツインテールのセーラー服美少女を見ると、つらそうな表情をしている。その後ろには、いかにも痴漢しそうにない学生っぽいイケ面が密着して立っている。

普通にしてれば、モテそうなのに…、
少女の様子から、亜樹はイケ面が痴漢だと決めつけていた。
未成年に手を出すど変態のクズ野郎…、ここにこんな、いい女がいるのに…。
そして目の前の自分を無視して、ションベン臭い子供に手を出す痴漢を全否定していた。朝シャワーオナニーで昂ぶったままメスの本性が、亜樹を高飛車な女にしていた。

亜樹が痴漢扱いした男は、実際にツインテール少女を痴漢していた。スカートの上からお尻を触るだけでは飽きたらず、紺ミニスカに手を入れてパンティの上から大事な部分を触っていた。

太もものモチモチした素肌を楽しみ、お尻のワレメにパンティごと指を差し込み、淫靡なシワの出来た当て布の部分をイジる痴漢に、抗議する勇気さえない憐れな少女は、あふれそうな涙をこらえて電車が駅に着くのを願っていた。

短編 (40)につづく
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