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女学生璃紗 目次女学生璃紗 (1)人生の最高記録
かすかに揺れるプールの水面(みなも)を窓から差し込む月光が、油を垂らしたようにネットリと黄金色に照らしていた。
同時に黄金(こがね)色の輝きは、飛び込み台に立つ一糸まとわぬ女体の美しい曲線を、艶めかしく照らしていた。
「はあ…、よしっ」
飛び込み台に立った璃紗は胸を張って大きく息を吸った。気合いを入れる声がするのと同時に、ピシャッと頬を叩く音が静かな屋内プールに響いた。
ザブン…。
ピッと電子音が響くのと同時に、流線型の女体が宙を舞い、最小限の水しぶきを上げて水面に吸い込まれていった。
美しい曲線を見せる女体はしばらく水中を進んだが、水面に横顔を見せるのと同時に真っ直ぐ伸びた指先がクロールで水面を切り裂いていく。
美しい横顔が月明かりに照らされて、1ストローク毎に水の膜をともなった厚めの唇が息継ぎする。
力強いストロークは対岸まで続き、艶めかしい流線型のカラダはマックススピードを保っていた。
手の先がタッチ板を叩き、ピッと電子音が鳴った。
「…」
璃紗はプールから上がらず、ハアハアと息継ぎしながら背泳ぎでゆっくりと元来た水路をたどり、電子掲示板に目をやった。
「ふふっ…、あはははっ」
黄色に表示されたデジタル数字は、予想通りベストタイムを示していた。
全裸で泳げばきっと最高記録が出せるだろうと前から思っていた璃紗は、今日とうとう深夜のプールに忍び込んで、それを実行に移した。
目論見通りベストタイムを一気に数秒も縮めた結果に、璃紗は本当に満足だった。水面から顔と胸の先端を出した璃紗の楽しそうな笑い声が、室内プールにしばらく響いていた。
「!…」
しかしその笑い声はすぐに中断された。こむらがえりを起こした璃紗はカラダを丸めて水面から消えた。
懸命に手足をバタバタさせてもがくが、水面は遠かった。50メートルプールは2メートルを超える深さがある。なんとか水面(みなも)から顔を出してもすぐに水没し、息継ぎもままならない。
生への悪戦苦闘はしばらく続いたが、無情にも力尽きたカラダは暗い水底に静かに沈んでいった。
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