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婦警夏美(1)射撃訓練

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婦警夏美(1)射撃訓練

ミニスカのウエストで絞られた腰に片手を当て、伸ばした右手にニューナンブM60 2インチを構えた女性警官が、黄色に着色されたシューティンググラスの下の長いまつげを見せつけるように片目を閉じ、狙いをつけてトリガーを引き絞る。

バンッバンッバンッバンッバンッ、…。

薄暗い地下射撃訓練場で腹に響くようなの銃声が5回こだました。

ハンマーがカートリッジの後端を叩くたびに起きる無煙火薬の爆発が、約9ミリの弾丸に前進するパワーを与えるのと同時に若い女体を震わせる。

片手で握ったガンは発射のたびに銃口を跳ね上げ、グリップに絡みついた女性らしいしなやかな指先から逃れようとする。

反動で乱れたショートヘアを気にもしない彼女は、手の中で暴れるニューナンブを懸命に押さえつけ、続けざまにトリガーにかけた指に力を込めた。

全弾発射した彼女はゆっくり腕を下げる。薄暗い地下室に火薬の紫煙が漂っていた。

「…、はあ…」
全弾発射してしばらくターゲットを見つめていたミニスカポリスは、プックリツヤツヤの淫靡なツヤを放つ唇をかすかに開け、艶めいた溜息を漏らす。シリンダーをスイングさせて空薬莢を排出すると、キンキンと乾いた金属音が神経質に鼓膜に響く。



「ええっ…、やあんっ、なんでえ…」
銃声のエコーが収まった地下射撃場でイヤープロテクターを外した夏美は、引き寄せたターゲットシートを寄り目で見つめながら、悲鳴のようなロリ声を上げた。

駄々をこねる子供のように後ろに跳ね上げた足が、ミニスカのスリットからのぞく太ももを強調していた。

真っ先に見た真ん中の黒丸に38口径の弾丸跡は見あたらず、1点ゾーンに1つ弾痕があるだけで残りはすべて外れていた。弾痕は4発しかなく、1発はターゲットシートさえも外れていた。



夏美は短大卒業後に警察官採用試験を受験した。現在警察学校で亡き父の職業であった警察官になるべく勉強中の身だ。

10数年前に亡くなった父は刑事として凶悪犯追跡中に、犯人の凶弾を受けて殉職したと聞かされている。

父が死んだとき夏美はまだ小学生だったが、訃報を聞いたその時に将来警察官になることを心に固く決めた。そして今現在、犯人は逮捕されていない。

警官を志した頃は成人したあとすぐに時効が成立するため、犯人を逮捕して父のカタキを取ろうなどという大それた想いはなかった。

しかし警察学校入学後に法律が変わり、殺人犯などの凶悪犯罪の時効が撤廃されると、警察官任官後は刑事を目指して、父を殺した犯人を逮捕するという気持ちを強くし、警察学校のキツイ教練の励みにしてきた。

座学ではほぼ良好な成績を収める夏美だったが、拳銃射撃訓練では常に落第点だった。正規の授業だけでは全く腕前があがらない夏美は、1日の授業が終わった後自ら志願して射撃訓練に励んだが、それでも上達する気配は見られなかった。



「全然、なってないな…」
若い女性警官の腰から脚線美につづくセクシーなラインにイヤらしい視線で見ていた教官は、てんでなってない射撃結果にあきれ声を漏らした。

婦警夏美(2) につづく
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