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== 女子アナ由香里 ==

女子アナ由香里 (1)ユカリン

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女子アナ由香里 (1)ユカリン

あれ?!…、ユカリンじゃね、…。
オレは中村光弘。某都内二流大学の3回生だ。午前中の講義に出てから、ヒマな午後をもてあまして街をブラブラしていた。そこでテレビ富士のアナウンサー小島由香里、通称ユカリンのプライベートを目撃した。

テレビ富士は女子アナをタレントと同じような使い方をすることで有名だ。ユカリンも例に漏れず新人の年からバラエティー番組に引っ張りだこだった。深夜番組『未来教授ムラムラ』の助手役として出演する彼女の、ダテメガネにセクレタリーファッションのミニスカスーツ姿は、受験勉強するオレにささやかな楽しみをくれた。

新人時代の激務のせいで長期療養したというウワサもあり、最近はもっぱらニュース番組のフィールドキャスターとしての露出が多いようだ。同期の小野陽子がバラドルの道を着々と歩んでいるのとは対照的だが、ガキっぽい小野より断然ユカリンがオレの好みだ。彼女の巨乳が本物かどうかわからないが、小野よりも女らしい体つきに男心をそそられる。


プライベートの彼女は、サングラスや帽子をするでもなくテレビに出ているそのままの顔だった。女子アナはテレビに出る前にメイクするのですっぴんのまま出社すると聞いたことがあるが、退社するときはそのメイクのままなのだろうか。

ファッションも普通のOL風で特別オシャレな感じはしなかった。ニュース番組で見るユカリンはおとなしめなファッションでどこか野暮ったい感じがあるが、その雰囲気のままだった。

またとない僥倖にオレはにわかストーカーになってユカリンのあとをつけた。彼女が大型書店に入っていくのでオレもついていった。そのときは番組の資料でも探すのだろうと思っていた。

書店に入ったユカリンはサングラスを掛けると、趣味のコーナーに向かっていた。本棚に隠れて様子を窺うオレは、アダルトコーナーで足を止めたユカリンに息を呑んだ。ユカリンがエロ本に興味があるとおもっただけで、興奮してドキドキしてくる。

ユカリンは平積みの本を物色していたが目的の本を見つけたようだ。ソフトカバーの本に手を伸ばすユカリンの口元がかすかにほころんでいた。エッチな本に見せるユカリン特有の笑みに、オレの興奮は最高潮に達していた。

しかし本当の衝撃はこのあとだった。素早くあたりを見渡したユカリンは、それを素早くカバンにしまった。ユカリンは万引きした。しかもチラッと見たその本は裸の男同士が絡み合っている写真が表紙になっていた。

ユカリンはホモ専、もしくはゲイ専だった。そんな趣味の本をレジに出すなんて、テレビに出ている有名人としてはできなかったのか。あるいは通販でもその手の本の入手は可能だから、単に万引きのスリルを楽しんでいたのか。

彼女の事情はともかく、オレは平然と書店を出て行くユカリンの後を追った。

「ユカリンですよね、ファンなんです、サインして貰っていいですか」
書店を出て急に足早になったユカリンを追ったオレは、心臓がバクバク鳴るのを意識しながら、彼女の揺れる後ろ髪に声をかけた。

女子アナ由香里 (2) につづく
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