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ろま中男劇場 3.新人銀行員奈々 (1)灼熱の外回り

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ろま中男劇場 3.新人銀行員奈々 (1)灼熱の外回り

熱い…、どうして、こんなに、熱いの…。
奈々は陽炎の立つ住宅街の道を歩いていた。午前中に早くも35度を超えた酷暑日のよく晴れた昼下がり、とっくに体温より上昇した気温は40度に届こうとしていた。

はあ…、のど、乾いた、…。
灼熱の太陽と焼けたアスファルトからの照り返しが、銀行の制服を着たやせた長身のカラダを拷問のような熱さがさいなむ。

はあっ、もう、下着まで…、ビショビショ、…。
ウオータープルーフのファンデーションでさえも汗で流されそうな暑さだが、もともと身だしなみ程度に最低限のメイクしかしない奈々は、額から流れる汗をしきりにハンカチで拭いていた。胸の谷間や股間に汗が溜まって小さな池を作っていた。

奈々は万年主任の上司から命じられたチラシ配りをしている。今年入行したばかりの奈々は、一度だけこの薄らハゲの中年から食事に誘われたが、入院する妹を見舞いする日だったため、丁重にお断りして以来、ことあるごとにイヤガラセをされている。

ボーナスが出てから2ヶ月も過ぎたこの夏真っ盛りの時期に、チラシ配りなどしても銀行の業績にたいした影響はないのだが、陰険薄らハゲは汗でビショ濡れになってけだるげな奈々の悩ましい姿を妄想して、わざわざ昼すぎにチラシ配りに出るように命じたのだ。

陰険中年の目論見は見事に達成された。エアコンの効いた涼しいオフィスで誰でも出来るような書類整理に忙殺される主任が、今の奈々の姿を実際に目にすることはなかったが。

もう、だめ…、水分補給しないと…、熱中症になっちゃう、…。
全身から吹き出す汗に命の危険さえ感じた奈々は、汗で額に張り付く髪を横になでつけながら、コンビニか自販機がないかキョロキョロさがしたが、高級住宅街にそぐわない派手派手しい装飾を見つけることは出来なかった。

「…、きゃっ、あっ、あついっ」
はあっ、もう…、きゃんっ、やっ、あ、熱いっ、いやあっ、ころんじゃったあ、…。
フラフラし始めた奈々はまだはき慣れないハイヒールにつまずいて転んでいた。道に女座りした奈々のふくらはぎや太ももが熱いアスファルトに焼かれる。

「熱っうい…、あ…、もう、やだあっ、伝線したあ」
よろよろと立ち上がった奈々はヒザ上のスカートをはたくと、パンストが伝線してるのを見て癇癪気味に嘆く。

もう、いいや…、脱いじゃえ、…。
銀行の規則で真夏でもパンストをはかなければならないが、コンビニもないので履き替えることは出来ない。汗でムレた気持ち悪さにうんざりしていた奈々は、目隠しになる木立に下半身を隠すとスカートに手を入れてパンストを脱いだ。

さすがに、パンツは…、ムリだね、…。
汗でぐっしょり濡れたパンストを脱いでせいせいした奈々は、パンツを脱いだらもっとスースーして気持ちいいかも、と思ったがそこまではしたないマネは出来なかった。

でも、このくらいなら、…、やっぱ、こっちのが涼しい、…。
学生の頃のようなナマ足になって開放的な気分になった奈々は、ウエストを巻いてスカートの丈を短くしていた。学生気分のまだ抜けない奈々は日焼けをおそれるより、涼しい格好を選んでいた。

もういいや、取っちゃえ、…。
制服に決まりのリボンも襟元をしっかり閉じて暑苦しいので取ってしまった。行内なら絶対許されない格好だか、この炎天下で決まりを守っていたら汗が出すぎてひからびてしまう、そう思った奈々は躊躇無くリボンを取ると、
ああ~、涼しっ…。
ボタンを3つもはずしてエリをパタパタしていた。大きく開いたエリの奥に汗に濡れた胸の地肌がプルプル揺れるのが時折見える。

しばらく木陰で涼を取った奈々は少し元気を取り戻してチラシ配りを再開する。ナマ足で闊歩するその姿はお堅い銀行員というよりも、ふざけて制服をまとった女子行員コスプレに近かった。

ノド、渇いたあ、…。
まだ半分以上残ったチラシを家々のポストに入れる奈々は限界に近い渇きに、清涼飲料水を飲み下してノドがシュワシュワ鳴るのを想像して、ゴクンとツバを飲み込む。

「大変だねえ、この暑いのに…、冷たいモノでも飲んで、少し休んでいくかい」
通りのハシにある大きなお屋敷のポストにチラシを入れると、庭先から誰かが声をかける。額の汗をぬぐってまぶしそうに顔を上げた奈々は、優しそうな笑顔のオジサンを見た。

「え、でも仕事中ですし…、でも、ちょっとくらいなら、いいかな…」
誰?…、優しそうなオジサンだけど…、冷たいモノって、ジュースだよね…、これ以上汗かいたら、私、スルメみたいに、ひからびちゃうかも…、甘えちゃおかなっ、えへへっ、…。

人を疑うことを知らないネンネの奈々は、優しそうな笑顔を見せる中年男にすっかりだまされていた。豪華な一軒家にひとり暮らしするこの中年は、飛んで火に入る夏の虫とばかりに、奈々によこしまな欲望を抱いていた。

ろま中男劇場 3.新人銀行員奈々 (2)につづく
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