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お天気キャスター(1)お天気キャスター友里

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お天気キャスター 目次

お天気キャスター(1)お天気キャスター友里

「これからお休みの方も、そしてお目覚めの方も、6時ちょうどです」
「好崎さんっ、今日は土曜日ですよ」
「あっ、失礼しました」
「おはようございます、目覚まし君テレビ、土曜日です」

ううっ、緊張するう…、でもがんばらなくちゃ、…。
目覚まし君の着ぐるみを着て照れ笑いする好崎美香と、去年アナウンス部副部長に昇進した河豚原アナが夫婦マンザイのようなオープニングをする横で、高見友里は緊張気味な笑顔で1カメを見つめていた。

「今日からお天気コーナーを担当してもらう高見友里さんです」
「はいっ、今日からお天気コーナーを担当します高見友里です、よろしくお願いします」
河豚原アナに紹介された友里は、緊張気味な笑顔とロリ気味だがはっきりした声で応えると大げさに頭下げてお辞儀した。

友里は名門双葉学園からR大に進学した才女で、スカウトがきっかけで今のタレント事務所に所属している。在京キー局のウィークデイの情報番組『目覚まし君テレビ』にキャスター代行で出演したのがきっかけで、土曜日のお天気キャスターとして今日からレギュラー出演する。R大ミスコンクィーンにも選ばれた友里の若干幼さを残した美貌は、後ろに居並ぶ先輩女性キャスターたちに負けてなかった。


「小林真央を知ってるだろう、彼女はこの番組のお天気キャスターがデビューだったんだ」
「彼女に負けないように頑張ってくれ給え」
いちおうオーディションを経てお天気キャスターに選ばれた友里は、番組のプロデューサーに呼ばれて二人きりで会議室にいた。

知るも知らないもない。現在は押すに押されぬ女性タレントとして確固たる地位を築いた、友里の事務所の先輩を引き合いに出すプロデューサーは、ムダに威厳を誇示するような威圧的な口調だったが、友里の全身を舐めるように眺めながらスケベそうな笑いを浮かべていた。

「はい、一生懸命頑張ります、よろしくお願いします」
プロデューサーのムキ出しな欲望のこもった視線に邪推するわけでもなく、友里はPの言葉を素直に励ましと受け取り、天真爛漫な笑顔を浮かべて少しロリっぽい口調で応える。

「キミ、ルックスはいいけど、衣装がいまいち垢抜けないな、女子大生キャスターを売りにしてもいいんだけど、やっぱり情報番組にふさわしいファッションがあるからね」
スケベなたくらみが頭の中で交錯するエロPは、友里の服装に難癖をつけはじめた。

「すいません、初めてで、よくわからなくて…、勉強します、なにとぞご指導ください」
学生らしさにプラスして女性っぽさを感じさせる清潔感のあるファッションの友里は、申し訳なさそうに頭を下げた。

「まあ、そうだな、いろいろ教えてあげるよ、ちょっとクルッと回ってみなさい」
素直な友里の態度にますます加虐的な欲望をふくらませるエロPは、あからさまなすけべ笑いを浮かべる。
「えっ、ここでデスか?…、わかりました、はい、じゃあ、失礼して」
イキナリの要求に戸惑いの表情を隠せない友里だったが、天上人であるプロデューサーに逆らうなどという大それたことなど思いもよらず、気合いを入れるとしゃがんで両手を床についた。

「そうそう、両手を頭の上でついて、えいっとね…、って、おいっ、ココは体育館かっ、前転してどうするっ」
マット運動の前転をしようとするおトボケ女子大生に、思わずノリツッコミしてしまったエロPだったが、スカートをはいた女子大生の前転を見るチャンスだったことに気付いて、うかつな自分に後悔していた。

「あ、はっ、そうですよね、スイマセン…」
勘違いに気付いて照れくさそうに笑った友里は、立ち上がってフェミニンなヒザ上丈のスカートをパンパンとはたくと
「じゃあ、いきます」
はにかんだ笑顔でクルッとまわった。

お天気キャスター(2) につづく
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