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== 彼女は幽霊 ==

彼女は幽霊 (7)ツトムとシメ子

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彼女は幽霊 目次

彼女は幽霊 (7)ツトムとシメ子

「買い物行くんだけど、一緒に行くだろ」
話が一段落したと思ったツトムは昨日買い忘れたモノを買いに出かけようとした。

「はい、…というか、取り憑いちゃってますから、ツトムさんからは離れられないんですけどね…」
幽霊の自分をありのまま受け入れてくれたのが嬉しいシメ子は、出かける準備をするツトムをデート気分でニコニコして見ていた。
「その格好、やっぱり変じゃね?」
ドアを開けようとしたツトムはセーラー服姿のシメ子が援交相手に見られる気がして、別の服装を要求した。
「私が見える人って、滅多にいないんですよ」
取り越し苦労で余計な心配をするツトムに、幽霊の自分が見える人間はよほど霊感の強い人間だと説明した。
「オレの霊感が強いってこと?…、でもオレの前の住人も見えたんだよね?」
この部屋が幽霊の出る物件とウワサだったのは、前の住人にもシメ子が見えていたはずだと思った。
「ツトムさんは私の、ボーイフレンドだから…、それに前の人にもわざと見えるようにしたから…」
シメ子は公認ガールフレンドであることに嬉しそうに恥じらっていた。シメ子は以前の住人にもツトムの前に現れた時のように霊体エネルギーで実体化していた。

「そういうこと…、じゃあ、どんな姿してても、オレ以外には見えないってことっ」
前住人が幽霊のシメ子を見て驚く様子を想像して笑うツトムは、どんなコスプレをさせてやろうかとスケベ妄想を巡らせていた。
「そうですね…」
ツトムがエッチな妄想をしていることなどわからないシメ子は、ニヤけ顔を不思議そうに見ていた。
「じゃあ、ビキニ姿になってくれっ、Tバックのっ」
バニー姿も捨てがたいと思ったツトムだったが、ここは王道だと決めると春先の往来には全く不自然な水着姿を要求した。
「ビキニ?…、はあ…」
ツトムがスケベ大王だとまだ理解してないシメ子は、季節感を全く無視したビキニ姿になる必然性が理解できないままうなずいた。
「やっぱ、まだ寒い?」
シメ子の納得してない様子に、やっぱり調子に乗りすぎたとツトムは反省した。

「あ、幽霊ですから、それはないです、こんな感じでいいですか?…」
しおれるツトムになんだか悪いことをした気分のシメ子は申し訳なくて、すぐに純白ビキニ(Tバック)を着用した姿に変身した。
「おおっ、すげっ、やっぱナイスバディ、え、あれ?」
まぶしいくらいのセクシー水着姿にあっさり機嫌を直したツトムは、後ろに回ってほとんど丸出しのすべすべ尻肌を触ろうとしたが今度も空振りした。
「あっ、ごめんなさい…、すぐに実体化しますからっ」
お尻の感触がないことにがっかりするツトムに、シメ子はまた申し訳なくて落ち込んだ。ツトムに悦んで欲しくて禁じ手の実体化を申し出た。
「えっ、それはダメだっ、見るだけで我慢するからっ」
霊体エネルギーを消耗する実体化は「無」になることだけは理解していたツトムは、捨て身の奥の手を慌てて阻止した。

「…、はい…、うれしいです…」
自分が「無」になることを阻止しようと必死になるツトムがうれしくてまた涙ぐんだシメ子は、幽体のままツトムの腕に寄りかかっていた。

彼女は幽霊 (8)につづく
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