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陰気美少女乃舞子 (4)帰りの通学路

ろま中男3 作品リスト
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陰気美少女乃舞子 (4)帰りの通学路

おっ…、帰るか…。
ヤンチャ佐知子以外に入学式の日のスケジュールは滞りなく終了した。うつむいた乃舞子が陰鬱に立ち上がって教室を出て行くと、士宇児もカバンを手に取って後を追った。

もっと、短いのにしろよ…。
乃舞子が下駄箱で靴を履き替えてしゃがむ姿を柱の陰に隠れて盗み見するエロチビは、他の女子がほとんど膝上15センチ以上のナマ太ももむき出しのミニスカートなのに、膝まで隠す紺ヒダスカートの長さが不満だった。

やっぱり、変な歩き方…。
ぎくしゃくした不自然な歩き方の乃舞子だったが、遅いわけではなく士宇児は普通に歩いてついていった。

どっちだ?…、
猫背にうつむいて変な歩き方をするネクラ美少女を駅まで追跡したエロチビは、彼女がどっちのホームに行くかでドキドキしたが
やったっ…、一緒に通学だなっ…。
同じ方向だとわかると、うれしさのあまりあまり造作の良くない顔をゆがめて心の中で小躍りしていた。

ホームでやや離れて待っているとすぐに電車が来た。乃舞子が乗るのを確認してから士宇児は隣のドアから乗った。

…、座らねえのか?…。
昼間の電車は空いていた。長座席のハシに座った士宇児は顔を伏せると、吊革に掴まってうなだれる猫背美少女を斜め後ろから盗み見していた。

まだか…。
寝たフリで薄目を開けてずっと監視していたが、乃舞子は猫背にうなだれたままずっと立っていた。次が降りる駅になり、ヘタレチビがこのままストーキングして乗り過ごすか迷っていると、
おおっ、ラッキー!…。
つり革から手を離した乃舞子がドアに向かった。

駅まで同じ…、神様、ありがとう…、
自宅からの最寄り駅まで同じという偶然を喜んだ士宇児は、天の配剤に感謝していた。
ほんと、運命だよっ…、うっ…、やばっ…。
同じ電車で通学できるとわかって心の中で欣喜雀躍するエロチビは、通り過ぎる乃舞子を顔を伏せてやり過ごすとドアが閉まる前に焦って飛び降りた。

おひょっ、自転車もっ…。
やっぱりうつむきがちに変な歩き方をする猫背美少女は改札を通り過ぎると、自転車置き場にむかった。

うひひっ…、あ…、あっちか…。
自転車置き場も同じという度重なる偶然にもう二人は運命の固い絆に結ばれているとさえ思ったが、エロチビが期待するパンチラなどせずに自転車にまたがった乃舞子がこぎ出した方向は自宅と逆だった。

違う学区…、か…。
線路から向こうは別の中学校区だった。いくらネクラで目立たなくても3年間同じ学年の女子を知らないこと自体が不自然で、
そりゃそうだ…。
乃舞子が隣の中学校出身であることを士宇児は何となく納得した。

…、ここか…。
ペダルを漕ぐたびにチラチラするふくらはぎからヒザ裏をスケベな目で眺めながら10分ほど付いていくと、築30年は経ってそうなボロアパートの前で乃舞子は自転車を止めた。

陰気美少女乃舞子 (5)につづく
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